書籍 「2016 知財判例年鑑」
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2011年2012年2013年2014年2015年
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-07-28
事件番号:平成27(行ケ)10191
事件種別:審決取消請求
原告:住友金属鉱山株式会社(無効審判請求人)
被告:シャープ株式会社(特許権者)
判決:請求認容
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),中島基至,岡田慎吾
発明の名称等:「半導体装置および液晶モジュール」
争点:発明者(該当→該当)
参照条文:29条1項柱書
分野:化学
分類:装置(半導体装置)
ポイント: Aは,Bに対し,本件着想に基づく本件構成を提示しているのであるから,Aが本件発明の課題を解決するための着想及びその具体化の過程において重要な貢献をしたことは明らかである。これに対し,Bは,上記認定事実のとおり,本件発明に係るバリア層のクロム含有率の上限値及び下限値を特定するという貢献をしているものの,京都会議の前には,上記マイグレーションの発生の原因と対策を検討するに当たり,バリア層のクロム含有率には一切着目していなかったものと認められ,かえって原因が不明であるとしてAにその対策を求めて京都会議を開催して,Aから本件発明の課題を解決するための着想のみならず,本件構成という具体的な解決手段まで示されたのであるから,Aが本件発明の共同発明者であることを否定することはできないというべきである。
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-10-24
事件番号:平成25(ワ)34182
事件種別:特許を受ける権利確認等請求
原告:東洋精糖株式会社
被告:群栄化学工業株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長),鈴木千帆,天野研司
発明の名称等:「保湿剤」
争点:特許を受ける権利(なし)
参照条文:29条1項柱書
分野:化学
分類:用途(保湿剤)
ポイント: 本件明細書1の記載によれば,本件発明1-1における構成②の数値範囲は,実施例1乃至3により導き出されたものであることが認められるところ,前記1の認定事実によれば,これらの実施例は,いずれも被告従業員Aⅱを中心とする被告従業員等が実験的に導出し,その効果を確認したものであって,この過程に原告従業員Aⅰが実質的に関与したとみることはできない。そうすると,本件発明1-1の発明者乃至共同発明者と評価され得る者は,被告従業員Aⅱを中心とする被告従業員等のみであって,原告従業員Aⅰが同発明の共同発明者の一人であると認めることはできない。
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-07-28
事件番号:平成27(行ケ)10145
事件種別:審決取消請求
原告:ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),中島基至,岡田慎吾
発明の名称等:「半導体発光装置に成長させたフォトニック結晶」
争点:新規性(なし→なし)
参照条文:29条1項3号
分野:化学
分類:装置(半導体発光装置)
ポイント: 本願発明の「n型領域とp型領域の間に配置されて波長λの光を放出するように構成された発光層を含み,上面と下面を有する半導体構造」「の前記上面と前記下面は,前記フォトニック結晶によって割り込まれていない」との発明特定事項は,フォトニック結晶と,フォトニック結晶によって割り込まれていない上面又は下面となるp型領域とを成長によって連続的に形成する態様のみならず,両者を個別に形成した上で結合する態様も含むものと解することができる。  したがって,引用発明2の「n-GaAs基板41及び多層膜反射鏡42,並びにクラッド層49,多層膜反射鏡48及びp-GaAsキャップ層47にはホール列は形成されておらず,また,n-GaAs基板41の下面及びp-GaAsキャップ層47の上面はともに平面となって」いることは,仮に,引用例の第2実施例の記載に基づいてホール列がエッチングで形成されたものであるとしても,本願発明の「前記半導体構造の前記上面と前記下面は,前記フォトニック結晶によって割り込まれていない」ことに相当するものと認められる。
4
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-10-12
事件番号:平成27(行ケ)10178
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社半導体エネルギー研究所(無効審判請求人)
被告:国立研究開発法人科学技術振興機構(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,片瀬亮
発明の名称等:「アモルファス酸化物薄膜」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:構造(アモルファス酸化物薄膜)
ポイント: 薄膜トランジスタの半導体層の気相成膜方法である引用発明1において,ITO膜(インジウム(In),スズ(Sn)の酸化物)に代えて,ITOとは組成を構成する元素も異なり,薄膜トランジスタの半導体活性層に用いることができるかも不明であるアモルファス本件組成の薄膜の成膜をすることには,動機付けがない。
5
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-06-09
事件番号:平成27(行ケ)10126
事件種別:審決取消請求
原告:日本特殊陶業株式会社(無効審判請求人)
被告:株式会社デンソー(特許権者)
判決:請求認容
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長),大西勝滋,杉浦正樹
発明の名称等:「ガスセンサ素子及びその製造方法」
争点:進歩性(あり→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:構造(ガスセンサ素子)
ポイント: 甲2の段落【0091】の記載によれば,甲2発明(1)においては,ガスセンサ素子を構成する未焼成シートの積層に当たり,各層を接合する方法として,接着剤を用いるのではなく,積層方向に外力を加えて未焼成シートを圧着する方法が用いられているところ,ガスセンサ素子を構成する未焼成シートをアルミナからなる接着剤を介して積層することが本件出願当時の周知技術であったことからすると,甲2発明(1)において未焼成シートの積層に当たり,圧着ではなく甲3技術の接着剤を用いた接合方法を採用することに,格別の困難があったものとはいえない。
6
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-11-16
事件番号:平成28(行ケ)10079
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社ブリヂストン
被告:特許庁長官
判決:請求認容
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),古河謙一,鈴木わかな
発明の名称等:「タイヤ」
争点:進歩性(なし→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:構造(スタッドレスタイヤ)
ポイント: 引用例1に接した当業者は,表面外皮層Bを柔らかくして表面外皮層を早期に除去することを想到することができても,本願発明の具体的な課題を示唆されることはなく,当該表面外皮層に使用初期においても安定して優れた氷上性能を得るよう,表面ゴム層及び内部ゴム層のゴム弾性率の比率に着目し,当該比率を所定の数値範囲とすることを想到するものとは認め難い。
7
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-04-13
事件番号:平成27(行ケ)10114
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社ブリヂストン
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),鈴木わかな,田中芳樹
発明の名称等:「タイヤ」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:構造(ランフラットタイヤ)
ポイント: 当業者は,引用発明1において,ランフラット走行状態になったときにサイド補強層が高温に達して耐久性に悪影響を与えるという問題の解決をより完全なものに近付けるために,同じく上記問題の解決を課題とする引用発明2の適用を試みるものということができる。
8
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-09-20
事件番号:平成27(行ケ)10242
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社イトウ/株式会社ヒロ・コーポレーション(無効審判請求人)
被告:Y(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長),杉浦正樹,寺田利彦
発明の名称等:「二重瞼形成用テープまたは糸及びその製造方法」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:構造(二重瞼形成用テープ)
ポイント: 甲2発明は,上眼瞼の弛みを解消するためにその上眼瞼に形成したひだをテープ細帯32の粘着力を利用して上眼瞼に固定し維持するものであり,本件発明1のようにテープ細帯32の収縮力を利用するものではない。そうすると,本件発明1と甲2発明とは,二重瞼の形成原理を全く異にする発明というべきである。このため,甲2発明の「テープ細帯32」の素材として用いられる「3M社製の仕様書番号1512-3(1981年8月)のポリエチレンフィルム」が,仮に延伸後に収縮性を有するものであり延伸させれば収縮力を生じるものであるとしても,相違点に係る本件発明1の構成が甲2発明から動機付けられることはない。
9
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-09-21
事件番号:平成27(行ケ)10244
事件種別:審決取消請求
原告:X(無効審判請求人)
被告:住友ベークライト株式会社(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),古河謙一,鈴木わかな
発明の名称等:「離型フィルム」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:構造(離型フィルム)
ポイント: 引用例1の実施例1乃至3(【0059】~【0061】)はエチレン-メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)単体の使用であるから,ポリプロピレン(PP)との組成物においてこれを試みる動機付けがあるとは直ちにいえないこと,エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)とエチレン-メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)とを対比すると,エステル部分と官能基部分に相違があり,両物質の性質が極めて類似するとまではいえないこと,エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)はポリオレフィン(ポリプロピレンはその代表的なものである。)との相溶性が特に優れ(甲13),実施例5においてポリプロピレンと互いに溶け合ったEEAをEMMAに置き換えることには阻害事由があるともいえることからすれば,上記置換をするだけの動機付けがあったということはできない。
10
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-09-29
事件番号:平成27(行ケ)10210
事件種別:審決取消請求
原告:X₁/X₂/X₃/X₄/X₅
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),中島基至,岡田慎吾
発明の名称等:「内燃機関用燃料」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:組成物(内燃機関用燃料)
ポイント: 引用発明において,燃料消費量の低減等の効果を得るために,費用対効果を考慮して,N,N-ジメチルドデシルアミンの添加量を設定することは適宜選択し得る事項であり,その際,刊行物1に接した当業者であれば,1w/v%よりも少ない添加量を設定することを試みるものと考えられる。また,引用発明の添加量である1w/v%,即ち1.27容量%を,相違点に係る本願発明の添加量である1容量%まで低下させることに,特段の困難はないといえる。
11
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-08-03
事件番号:平成27(行ケ)10160
事件種別:審決取消請求
原告:ヘッドウェイテクノロジーズインコーポレイテッド
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,片瀬亮
発明の名称等:「垂直磁気記録ヘッドおよびその製造方法」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(垂直磁気記録ヘッド)
ポイント: 引用例には,①磁極層の形状については,媒体対向面に配置された端面を有し,媒体対向面からの距離に応じて変化しない厚みを有する第1の部分と,当該第1の部分よりも媒体対向面から遠い位置に配置され,媒体対向面からの距離に応じて第1の部分よりも徐々に厚みが大きくなり,その後変化しない厚みを有する第2の部分とを有していて,その上面は屈曲し,②ギャップ層の形状については,磁極層の上面が屈曲していることに伴い,ギャップ層も磁極層の上面に沿って屈曲し,またギャップ層は一定の厚さを有するという垂直磁気記録用磁気ヘッドが記載されているものと認められる。以上によれば,引用例には,本件審決が認定したとおりの引用発明が記載されていることが認められる。
12
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-02-25
事件番号:平成27(行ケ)10095
事件種別:審決取消請求
原告:X
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),大寄麻代,岡田慎吾
発明の名称等:「内燃機関の燃費削減装置」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(内燃機関の燃費削減)
ポイント: 本願発明が燃費削減効果を奏し得るものであることを前提とすると,本願発明の「850~1450nmの近赤外領域の光」とは,実質的には,「850~1450nmの近赤外領域の光」のうち,「気相水の吸収スペクトルに適合した波長の光」と解釈するのが相当であり,具体的には,約1.33~1.5μm(約1330~1500nm)の波長領域の光が該当すると認められる。また,吸収体の存在しない波長領域については,技術的意義は認められず,単に,具体的な数値範囲をもって規定したものにすぎないといえるから,本願発明において「850~1450nmの近赤外領域の光」と設定したことは,設計的事項であるといえる。
13
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-02-03
事件番号:平成27(行ケ)10070
事件種別:審決取消請求
原告:シャープ株式会社
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),中村恭,中武由紀
発明の名称等:「バックライト光源用発光装置」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(発光)
ポイント: 蛍光体において必要な明るさを確保することは当業者であれば当然に考慮する事項であるから,本願明細書を参酌しても,本願発明のMnの数値範囲の臨界的意義は不明である。本願発明のMnの数値範囲は,技術の具体的適用に伴う数値範囲の好適化といった程度のものと認められる。  色再現性の更なる改善のために,引用発明1の緑色放出蛍光体として,その開示された条件に従うものであり,かつ,色再現性の改善を期待することのできる引用発明2のβ型サイアロンを選択することは,公知材料からの単なる最適材料の選択にすぎず,当業者であれば当然に試みるところであって,容易になし得たことといえる。
14
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-08
事件番号:平成27(行ケ)10097
事件種別:審決取消請求
原告:パナソニック株式会社(特許権者)
被告:Y(無効審判請求人)
判決:請求認容
裁判部:第3部
裁判官:大鷹一郎(裁判長),田中正哉,神谷厚毅
発明の名称等:「発光装置」
争点:進歩性(なし→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(発光装置)
ポイント: 甲3に接した当業者は,甲3発明において,Sr2Si4AlON7:Eu2+蛍光体のSrの少なくとも一部をBaやCaに置換したニトリドアルミノシリケート系の窒化物蛍光体を採用した上で,さらに,青色発光素子が放つ光励起下におけるその内部量子効率を80%以上とする構成(相違点5に係る本件訂正発明の構成)を容易に想到することができたものと認めることはできない。
15
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-07-28
事件番号:平成27(行ケ)10128
事件種別:審決取消請求
原告:住友金属鉱山株式会社(無効審判請求人)
被告:シャープ株式会社(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),中島基至,岡田慎吾
発明の名称等:「半導体装置および液晶モジュール」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(半導体)
ポイント: 甲1公報に接した当業者は,少なくとも上記のような端子間距離及びスパッタ層の厚みの半導体キャリア用フィルムについて,甲1公報それ自体の課題に反してまでスパッタ層のクロム含有量を10重量%以上のものにしようとする動機付けを認めることはできない。
16
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-10-12
事件番号:平成27(行ケ)10177
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社半導体エネルギー研究所(無効審判請求人)
被告:国立研究開発法人科学技術振興機構(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,片瀬亮
発明の名称等:「アモルファス酸化物薄膜の気相成膜方法」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:方法(アモルファス酸化物薄膜の気相成膜方法)
ポイント: 薄膜トランジスタの半導体層の気相成膜方法である引用発明1において,ITO膜(インジウム(In),スズ(Sn)の酸化物)に代えて,ITOとは組成を構成する元素も異なり,薄膜トランジスタの半導体活性層に用いることができるかも不明であるアモルファス本件組成の薄膜の成膜をすることには,動機付けがない。
17
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-09-26
事件番号:平成27(行ケ)10253
事件種別:審決取消請求
原告:アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),片岡早苗,古庄研
発明の名称等:「水障壁封止方法」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:方法(水障壁封止方法)
ポイント: 本願発明は,「基板」「有機発光ダイオード」及び「多層水障壁封止構造」以外の構成が存在することを排除していないし,当該他の構成は「有機」であって,水障壁機能を有していてもよい。そうすると,本願発明は,本願明細書【図4】のような,「多層水障壁封止構造」と「基板」との間に,「有機発光ダイオード」を包み込むような態様ではなく,「多層水障壁封止構造」の「基板」側とは反対側に「有機」であって水障壁機能を有する構造があることをも許容すると解するのが相当である。審決が,引用発明の「有機膜基板12」を,本願発明の「多層水障壁封止構造」に含めず,本願発明と引用発明とを対比したことに,誤りはない。
18
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-10
事件番号:平成27(行ケ)10015
事件種別:審決取消請求
原告:億光電子工業股份有限公司(エヴァーライト エレクトロニクス カンパニー リミテッド)(無効審判請求人)
被告:日亜化学工業株式会社(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),大寄麻代,岡田慎吾
発明の名称等:「窒化ガリウム系化合物半導体チップの製造方法」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:方法(窒化ガリウム系化合物半導体チップ製造)
ポイント: 甲2発明において,ウエハーをチップ状にカットする手段として,ダイシングに替えて,p型層3からドライエッチングで線状に形成された溝に対向するウエハー側の位置にダイシング等で溝を形成し,圧力を加えて押し割る方法を採用するとしても,甲2発明において,チップ分離手段としてダイシングを用いない以上,p型層3からドライエッチングで線状に形成された溝の幅は,もはやダイシングの刃の厚さの制約を受けないこととなって,溝の幅をダイシングの刃の厚さよりも広く形成する必然性はなくなると考えられるところ,ウエハーのp型層3からドライエッチングで線状に形成された溝の幅を対向するウエハー裏面側に設けた溝の幅よりも広くすることについて,指針となる周知技術や技術常識が存在しないことは上記のとおりであるから,甲2発明において,相違点2に係る構成を採用することは,当業者であっても容易に想到し得たということはできない。
19
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-10-12
事件番号:平成27(行ケ)10212
事件種別:審決取消請求
原告:X(無効審判請求人)
被告:旭有機材株式会社(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),中村恭,森岡礼子
発明の名称等:「鋳型の製造方法」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:方法(鋳型構造)
ポイント: 甲1から,当業者が,アルカリレゾール樹脂を用いて乾態のレジンコーテッドサンドを得る技術を読み取れるものではない(即ち,当業者は,常温流動性を有する乾態のレジンコーテッドサンドを開示する甲1の請求項2係る発明には,アルカリレゾール樹脂を用いてレジンコーテッドサンドを得る技術は包含されていないと理解する。)。
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-08-30
事件番号:平成27(ワ)23129
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:富士フイルム株式会社(特許権者)
被告:株式会社ディーエイチシー
判決:請求棄却
裁判部:民事第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長),藤原典子,中嶋邦人
発明の名称等:「分散組成物及びスキンケア用化粧料並びに分散組成物の製造方法」
争点:進歩性(なし)
参照条文:29条2項104条の3
分野:化学
分類:化粧品(スキンケア)
ポイント: 化粧品の安定性は重要な品質特性であり,化粧品の製造工程において常に問題とされるものであるところ,pHの調整が安定化の手法として通常用いられるものであって,pHが化粧品の一般的な品質検査項目として挙げられているというのであるから,pHの値が特定されていない化粧品である乙6発明に接した当業者においては,pHという要素に着目し,化粧品の安定化を図るためにこれを調整し,最適なpHを設定することを当然に試みるものと解される。そして,化粧品が人体の皮膚に直接使用するものであり,おのずからそのpHの値が弱酸性~弱アルカリ性の範囲に設定されることになり,殊に皮膚表面と同じ弱酸性とされることも多いという化粧品の特性に照らすと,化粧品である乙6発明のpHを上記範囲に含まれる5.0~7.5に設定することが格別困難であるとはうかがわれない。
21
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-30
事件番号:平成26(ネ)10080/平成27(ネ)10027 <原審;東京地方裁判所平成24(ワ)30098>
事件種別:特許権侵害行為差止等請求控訴
原告:日揮触媒化成株式会社 <控訴人兼附帯被控訴人(一審被告)>
被告:三井金属鉱業株式会社 <被控訴人兼附帯控訴人(一審原告;特許権者)>
判決:控訴認容
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),中村恭,田中正哉
発明の名称等:「スピネル型マンガン酸リチウムの製造方法」
争点:進歩性(なし)
参照条文:29条2項104条の3
分野:化学
分類:方法(スピネル型マンガン酸リチウムの製造)
ポイント: 電解二酸化マンガンを原料に用いるスピネル型マンガン酸リチウムの製造方法である乙11発明において,高温保存性やサイクル特性を向上させるという前記の周知課題の解決のために,ナトリウムを取り込むという広く知られた手段を用いることとし,その際,水酸化ナトリウムで中和することによってナトリウムを含有することが広く知られている電解二酸化マンガンを原料として利用すること(乙15)に着目し,これを原料として使用することでLiMn1.85Li0.1Al0.05O4の結晶構造中にナトリウムを取り込み,それによりマンガンの溶出を抑制することは,当業者が容易に想到することであると認められる。
22
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-10-12
事件番号:平成27(行ケ)10176
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社半導体エネルギー研究所(無効審判請求人)
被告:国立研究開発法人科学技術振興機構/HOYA株式会社(特許権者)
判決:一部請求認容
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),片岡早苗,古庄研
発明の名称等:「ホモロガス薄膜を活性層として用いる透明薄膜電界効果型トランジスタ」
争点:実施可能要件(違反なし→あり)
参照条文:36条4項1号
分野:化学
分類:構造(透明薄膜電界効果型トランジスタ)
ポイント: 本件明細書の発明の詳細な説明の記載は,mが5以上50未満の整数である場合を含む本件発明1,2及び4について,当業者が,アモルファスの本件化合物薄膜を形成することができる程度に明確かつ十分に記載されたものであるということはできないから,実施可能要件を欠くものと認められる。
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-09-29
事件番号:平成27(行ケ)10184
事件種別:審決取消請求
原告:X₁/X₂(無効審判請求人)
被告:ペガサス・キャンドル株式会社(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),中島基至,岡田慎吾
発明の名称等:「ローソク」
争点:実施可能要件(違反なし→なし)
参照条文:36条4項1号
分野:化学
分類:組成物(ローソク)
ポイント: 構成要件Eの「3秒以内で点火される」とは,その意味が明確なものであり,本件発明のローソクに点火時間が3秒を超えるものが含まれないことは明らかであるから,本件発明の詳細な説明の記載及び本件特許請求の範囲の記載が特許法36条4項1号の実施可能要件に違反しないとした審決の判断は,その結論において誤りはない。
24
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-09-28
事件番号:平成27(行ケ)10041
事件種別:審決取消請求
原告:JXエネルギー株式会社
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),中村恭,森岡礼子
発明の名称等:「潤滑油組成物」
争点:実施可能要件(違反あり→あり)
参照条文:36条4項1号
分野:化学
分類:組成物(潤滑油)
ポイント: 当業者は,本願明細書の発明の詳細な説明の記載や技術常識を考慮しても,本願発明の粘度指数向上剤の化学構造を知ることができない。結局,当業者は,本願発明の粘度指数向上剤を入手するために,本願明細書の記載に基づいて,一般式(1)の構造単位となる単量体0.1~70モル%と,その他の任意の(メタ)アクリレート単量体や任意のオレフィン等に由来する単量体を含み,かつ,側鎖にβ構造を有する単量体と直鎖構造を有する単量体との混合物を共重合して粘度指数向上剤を製造した後,その13C-NMRを測定し,M1/M2が0.2~3.0の範囲に含まれるか否か確認するという作業を,極めて多数の粘度指数向上剤について繰り返し行わなくてはならない。
25
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-11-24
事件番号:平成27(行ケ)10226
事件種別:審決取消請求
原告:アクロマ,タナイタス,アクチボラグ
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),中島基至,岡田慎吾
発明の名称等:「同期化された水及びその製造並びに使用」
争点:実施可能要件(違反あり→あり)
参照条文:36条4項1号
分野:化学
分類:装置(耳鳴り処理用装置)
ポイント: 本願明細書の実施例(例14)では,男性2名及び女性2名に対し,本願マトリックスを耳鳴り症状を示す耳の後部の頭蓋基底部に,皮膚に穏やかな接着剤で局所的に配置する実験を行ったところ,このうち3名の耳鳴り症状が24時間以内に消失し,1名の耳鳴り症状が1週間以内に消失したことが認められる。しかしながら,上記実験における被験者は僅か4名にとどまり,しかも本願マトリックスを使用しない場合との比較試験を行うものではないことからすれば,耳鳴り症状が自然治癒又はいわゆるプラセボ効果により消失した可能性も残るというほかない。したがって,立証事項Bが立証されたものとはいえない。 以上によれば,本件立証事項が立証されたものと認めることはできず,本願明細書は,当業者が本願発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載たものとはいえない。
26
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-01-27
事件番号:平成26(行ケ)10202
事件種別:審決取消請求
原告:大阪ガスケミカル株式会社(無効審判請求人)
被告:田岡化学工業株式会社(特許権者)
判決:請求認容
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),片岡早苗,新谷貴昭
発明の名称等:「フルオレン誘導体の結晶多形体およびその製造方法」
争点:サポート要件(違反なし→あり)
参照条文:36条6項1号
分野:化学
分類:結晶(フルオレン誘導体多形結晶)
ポイント: 本件発明1~本件発明6及び本件発明10には,BPEFの粗精製物からBPEFの多形体Bを選択的に析出させる際の析出開始温度として,「50℃以上65℃未満」が包含され,また,それに加えて,本件発明1~本件発明4及び本件発明10には,BPEFの粗精製物からBPEFの多形体Bを選択的に析出させる際に用いる溶媒として,「ケトン溶媒」及び「エステル溶媒」が包含されている。しかし,本件明細書の記載及び本件出願時の技術常識に照らして,当業者が本件発明の課題を解決できると認識できるのは,BPEFの粗精製物からBPEFの多形体Bを選択的に析出させる際に用いる溶媒として,トルエン,キシレンなどの「芳香族炭化水素溶媒」を用い,析出開始温度として65℃以上とした場合である。
27
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-11-16
事件番号:平成27(行ケ)10206
事件種別:審決取消請求
原告:東洋紡株式会社(無効審判請求人)
被告:旭化成株式会社 (特許権者:旭化成せんい株式会社訴訟承継人)
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),古河謙一,鈴木わかな
発明の名称等:「エアバッグ用基布」
争点:サポート要件(違反なし→なし)
参照条文:36条6項1号
分野:化学
分類:構造(エアバッグ用基布)
ポイント: 当業者は,発明の詳細な説明の記載から,請求項1から15記載の各構成を採用することによって,①通気度を抑えてより高度な気密性能を有するとともに,速い展開速度及び膨張部と非膨張部の境界部分の高い耐圧性を達成し,高度な乗員の衝撃吸収を有する汎用的なエアバッグの作製に適した基布及び②乗員を早く捉えて拘束する急速拘束性に優れたバッグの作製に適した基布の提供という前記課題を解決できると認識するものということができる。
28
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-12-21
事件番号:平成27(行ケ)10261
事件種別:審決取消請求
原告:JX金属株式会社(特許権者)
被告:田中貴金属工業株式会社(無効審判請求人)
判決:一部請求認容
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,片瀬亮
発明の名称等:「非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット」 <「スパッタリングターゲット」事件③>
争点:サポート要件(違反あり→あり)
参照条文:36条6項1号
分野:化学
分類:構造(スパッタリングターゲット)
ポイント: Crの濃度変動があるだけで,その濃度変動の程度が何ら特定されていない球形の合金相(B)を含むターゲットは,当業者が本件各訂正発明の課題を解決できると認識できる範囲のものということはできないから,Crの濃度変動の程度を何ら特定しない球形の合金相(B)を含む特許請求の範囲請求項1乃至3に記載された本件訂正発明1乃至3は,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとはいえない。また,このような球形の合金相(B)を含むターゲットが,当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるということもできない。したがって,本件訂正発明1乃至3に係る請求項1乃至3の記載は,サポート要件を満たしているとはいえない。
29
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-07-19
事件番号:平成27(行ケ)10099
事件種別:審決取消請求
原告:帝人株式会社(無効審判請求人)
被告:東レ株式会社(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長),大西勝滋,杉浦正樹
発明の名称等:「白色ポリエステルフィルム」
争点:サポート要件(違反なし→なし)
参照条文:36条6項1号
分野:化学
分類:材料(白色ポリエステルフィルム)
ポイント: 本件明細書には,無機粒子を5重量%以上含むポリエステル組成物からなる白色二軸延伸ポリエステルフィルムにおいて,当該ポリエステル組成物を特性(a)及び(b)を満たすものとすることによって,本件発明1の「白色性,隠蔽性,機械特性,光沢性とともに耐熱性,成形加工性に優れたフィルムを得る」という課題が解決されることが記載されているものといえるから,本件発明1に係る特許請求の範囲(請求項1)は,本件明細書の記載により当業者が本件発明1の課題を解決できると認識できる範囲のものということができ,サポート要件を充足するというべきである。
30
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-11-30
事件番号:平成28(行ケ)10042
事件種別:審決取消請求
原告:JXエネルギー株式会社
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,片瀬亮
発明の名称等:「潤滑油組成物」 <「潤滑油組成物」事件①>
争点:サポート要件(違反あり→あり)
参照条文:36条6項1号
分野:化学
分類:組成物(潤滑油)
ポイント: 本願発明は,「本発明に係る潤滑油基油成分」を,「基油全量基準で10質量%~100質量%」含有することが特定されたものであるが,当業者において,本願明細書の発明の詳細な説明の記載から,「本発明に係る潤滑油基油成分」の基油全量基準の含有割合が少なく,特許請求の範囲に記載された「基油全量基準で10質量%~100質量%」という数値範囲の下限値により近いような「潤滑油基油」であっても,本願発明の課題を解決できると認識するということはできない。
31
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-11-30
事件番号:平成28(行ケ)10043
事件種別:審決取消請求
原告:JXエネルギー株式会社
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,片瀬亮
発明の名称等:「潤滑油組成物及びその製造方法」 <「潤滑油組成物」事件②>
争点:サポート要件(違反あり→あり)
参照条文:36条6項1号
分野:化学
分類:組成物(潤滑油)
ポイント: 「第1の潤滑油基油成分」の潤滑油基油全量基準の含有割合が少なく,特許請求の範囲に記載された「10~99質量%」という数値範囲の下限値により近く,「第2の潤滑油基油成分」の潤滑油基油全量基準の含有割合が少なく,特許請求の範囲に記載された「1~50質量%」という数値範囲の下限値により近く,その結果,その他の潤滑油基油成分の含有割合がその多くを占めるような「潤滑油基油」であっても,本願発明の課題を解決できることを示す,本願の出願当時の技術常識の存在を認めるに足りる証拠はない。
32
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-11-30
事件番号:平成28(行ケ)10057
事件種別:審決取消請求
原告:JXエネルギー株式会社
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,片瀬亮
発明の名称等:「潤滑油組成物」 <「潤滑油組成物」事件③>
争点:サポート要件(違反あり→あり)
参照条文:36条6項1号
分野:化学
分類:組成物(潤滑油)
ポイント: 「本発明に係る潤滑油基油成分」の基油全量基準の含有割合が少なく,特許請求の範囲に記載された「基油全量基準で10質量%~100質量%」という数値範囲の下限値により近いような「潤滑油基油」であっても,本願発明の課題を解決できることを示す,本願の出願当時の技術常識の存在を認めるに足りる証拠はない。したがって,本願発明の特許請求の範囲は,本願明細書の発明の詳細な説明の記載により,当業者が本願発明の課題を解決できると認識できる範囲内のものということはできず,サポート要件を充足しないといわざるを得ない。
33
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-12-21
事件番号:平成28(ネ)10010 <原審;東京地方裁判所平成25(ワ)3357>
事件種別:特許権侵害差止請求控訴
原告:JX金属株式会社 <控訴人(特許権者)>
被告:田中貴金属工業株式会社 <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,片瀬亮
発明の名称等:「非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット」
争点:サポート要件(違反あり)
参照条文:36条6項1号 104条の3
分野:化学
分類:構造(スパッタリングターゲット)
ポイント: Crの濃度変動があるか否か不明であるだけではなく,さらに,その濃度変動の程度も何ら特定されていない球形の合金相(B)を含むターゲットは,当業者が本件発明2の課題を解決できると認識できる範囲のものということはできないから,Crの濃度変動の有無及びその程度を何ら特定しない球形の合金相(B)を含む特許請求の範囲請求項2に記載された本件発明2は,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるとはいえない。また,このような球形の合金相(B)を含むターゲットが,当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるということもできない。したがって,本件発明2に係る請求項2の記載は,サポート要件を満たしているとはいえないから,本件発明2に係る特許は特許無効審判により無効にされるべきものと認められる。
34
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-02-17
事件番号:平成26(行ケ)10272
事件種別:審決取消請求
原告:アッヴィ・ドイチュラント・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・コー・カー・ゲー
被告:特許庁長官
判決:請求認容
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),片岡早苗,新谷貴昭
発明の名称等:「自己乳化性の活性物質配合物およびこの配合物の使用」
争点:拒絶理由通知(手続違背あり)
参照条文:50条
分野:化学
分類:組成物(ケトコナゾール配合物)
ポイント: 上記各文献は,溶融押出しという製剤化手段に関する周知な技術に関するものではあるが,当業者にとって引用発明に適用すれば,試行錯誤なしに相違点3及び4の構成を具備できるような技術といえない以上,審決が,審判手続において,相違点3及び4の存在を指摘せず,溶融押出しの技術に関する上記各文献を示すこともなく,判断を示すに至って,初めて相違点3及び4の存在を認定し,それに当該技術を適用して,不成立という結論を示すのは,実質的には,査定の理由とは全く異なる理由に基づいて判断したに等しく,当該技術の周知性や適用可能性の有無,これらに対応した手続補正等について,特許出願人に何らの主張の機会を与えないものといわざるを得ず,特許出願人に対する手続保障から許されないというべきである。
35
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-12-16
事件番号:平成27(ワ)9891
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:株式会社大文字(特許権者)
被告:株式会社広栄社/A/株式会社日本歯科工業社
判決:請求棄却
裁判部:民事第40部
裁判官:東海林保(裁判長),廣瀬孝,勝又来未子
発明の名称等:「不織布及び不織布製造方法」
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:化学
分類:構造(清掃用不織布)
ポイント: 本件各発明では「加熱前のメラミン系樹脂発泡体よりも柔軟なシート状物」に賦形するのであるから,加熱後のメラミン系樹脂発泡体について,厚さが加熱前と同じになるように切除するなどして調整することなく,加熱前後のメラミン系樹脂発泡体をそのまま比較することが相当であると考えられるところ,原告が主張するように「曲げ強度が高い」ことが「靱性が高い」ことを意味すると解したとしても,上記各試験の結果によれば,加熱後の方が曲げ強度が高いと認めることができないから,圧縮・加熱により,加熱後の方が「靱性が高い」ものとなったということはできない。そうすると,仮に,「より柔軟な」という文言が原告の主張するように「より靱性が高い(破壊し難い)」という意味を有していたとしても,被告各製品について,圧縮・加熱後の方が「より靱性が高い(破壊し難い)」ことについてはそれを認めるに足りる証拠はないといわざるを得ない。したがって,被告各製品は構成要件B1を充足しない。
36
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-06-15
事件番号:平成26(ワ)8905
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:日亜化学工業株式会社(特許権者)
被告:E&E Japan株式会社/株式会社立花エレテック
判決:請求認容
裁判部:民事第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長),鈴木千帆,天野研司
発明の名称等:「窒化ガリウム系化合物半導体発光素子」
争点:技術的範囲の属否(属する)<文言侵害成立>
参照条文:70条
分野:化学
分類:構造(窒化ガリウム系化合物半導体チップ製造)
ポイント: 被告製品は,構成要件1B「前記n型層中に,第一のn型層と,第一のn型層に接して,第一のn型層よりも電子キャリア濃度が大きい第二のn型層と,を有すると共に,」,同1C「前記n型層中の基板と前記露出表面の間にあるn型層領域において,前記第一のn型層であって前記露出表面が形成された層と,該第一のn型層の基板側に設けられた前記第二のn型層と,を有する」をいずれも充足する。
37
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-07-20
事件番号:平成26(ワ)21436
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:株式会社中部メディカル/合資会社ヤスイペイント工芸所(特許権者)
被告:株式会社東京オリジナル・カラー・シール・センター
判決:請求認容
裁判部:民事第40部
裁判官:東海林保(裁判長),古谷健二郎,勝又来未子
発明の名称等:「治療用マーカー」
争点:技術的範囲の属否(属する)<文言侵害成立>
参照条文:70条
分野:化学
分類:構造(放射線治療用マーカー)
ポイント: 被告各製品においては,接着層,インク層に当たる「顔料層」及び保護シート層に当たる「高輝度反射層」又は「シート層」が転写されるのであるから,構成要件Fの「前記接着層,インク層及び保護シート層を皮膚側に転写して」を充足するというべきである。被告各製品は,いずれも本件発明の構成要件を全て充足するから,本件発明の技術的範囲に属する。
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-04-13
事件番号:平成27(ネ)10125 <原審;東京地方裁判所平成25年(ワ)3360>
事件種別:特許権侵害差止請求控訴
原告: JX金属株式会社 <控訴人(一審原告)>
被告:田中貴金属工業株式会社 <被控訴人(一審被告)>
判決:控訴棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),片岡早苗,新谷貴昭
発明の名称等:「非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット」 <「スパッタリングターゲット」事件①>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<均等論侵害不成立>
参照条文:70条
分野:化学
分類:材料(スパッタリングターゲット)
ポイント: どの程度の大きさ及び単位面積当たりの数の粗大粒子が,本件発明の目的を阻害しないような粒子といえるか,本件明細書上全く明らかではないから,被控訴人製品1で観察された粗大粒子によって,本件発明の作用効果を実現できるか否かは不明であり,被控訴人製品1における粗大粒子が存在しても,本件発明の目的を達成できるとはいえない。
39
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-04-27
事件番号:平成25(ワ)30799
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:JX金属株式会社
被告:田中貴金属工業株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長),鈴木千帆,笹本哲朗
発明の名称等:「強磁性材スパッタリングターゲット」 <「スパッタリングターゲット」事件②>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:化学
分類:材料(スパッタリングターゲット)
ポイント: 本件明細書において,「球形そのものを確認することが難しい場合は,相(B)の断面の中心と外周までの長さの最小値に対する最大値の比が2以下であることを目安としてよい。」(【0026】)とされていることに鑑み,ある相の断面が上記要件を充たすことをもって,構成要件B-(1)にいう「長径と短径の差が0~50%」の「球形の相」であると推認することが許されないではないとしても,そのことをもって,直ちにその相の「直径が30~150μmの範囲にある」ことまで推認されるということはできない。甲5実験によっては,被告製品1における「長径と短径の差が0~50%であって直径が30~150μmの範囲にある球形の相」が特定されたということはできない。被告製品1が構成要件B-(1),同B-(2)を充足することの立証はないというべきである。
40
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-10-05
事件番号:平成28(ネ)10056 <原審;東京地方裁判所平成25(ワ)30799>
事件種別:特許権侵害差止請求控訴
原告:JX金属株式会社 <控訴人(特許権者;一審原告)>
被告:田中貴金属工業株式会社 <被控訴人(一審被告)>
判決:控訴棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),古河謙一,鈴木わかな
発明の名称等:「強磁性材スパッタリングターゲット」
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:化学
分類:材料(スパッタリングターゲット)
ポイント: 控訴人主張の各点や当審提出の甲60,61を考慮しても,一断面のSEM写真の円形相から,その立体的形状が「球形」である可能性が高いということはできても,「球形」であるとまでは認め難い。現に,控訴人が当審において提出した甲62の2,90をみても,図7.1に表れている20番の粒子の研磨面での形状は,その立体的形状が球形であるとは認め難いものである。
41
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-10-14
事件番号:平成25(ワ)7478
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:日亜化学工業株式会社(特許権者)
被告:株式会社立花エレテック/E&E Japan株式会社
判決:請求認容
裁判部:民事第40部
裁判官:東海林保(裁判長),廣瀬孝,古谷健二郎
発明の名称等:「窒化ガリウム系化合物半導体チップの製造方法」
争点:技術的範囲の属否(属する)<均等論侵害成立>
参照条文:70条
分野:化学
分類:方法(窒化ガリウム系化合物半導体チップ製造)
ポイント: 被告方法は,本件発明の第二の割り溝を,LMA法のレーザースクライブにより形成された線状の変質部に置換したにすぎず,線状の変質部の存在が切断に資することに変わりなく,また,第一の割り溝と位置関係が一致し,第一の割り溝の線幅より狭いという構成によって,切断線が斜めとなってウエハーが切断された場合でも,p-n接合界面まで切断面が入らずチップ不良が出ることがないという作用効果を奏するものと認められ,本件発明と同一の作用効果を奏するものである。したがって,被告方法は,均等の第2要件を充足すると認められる。
42
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-06-30
事件番号:平成24(ワ)10567<甲事件>/ 平成27(ワ)10696<乙事件>/ 平成27(ワ)28881<丙事件>
事件種別:特許権移転登録手続請求<乙事件>
原告:大林精工株式会社(甲事件原告、乙事件被告、丙事件被告)/A(甲事件原告、丙事件被告)/B(甲事件原告、乙事件被告、丙事件被告)
被告:LG Display株式会社(甲事件被告、乙事件原告、丙事件原告)
判決:請求棄却
裁判部:民事第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長),笹本哲朗,天野研司
発明の名称等:「液晶表示装置」
争点:特許権の移転登録手続請求(認めない)
参照条文:74条
分野:化学
分類:装置(液晶表示装置)
ポイント: 本件では,特に本件特許権2及び同3に関し,被告は,原告らによる冒認出願の可能性を2003年(平成15年)に覚知し,2004年(平成16年)3月23日には,被告に帰属すべきものと考えられる特許権又は特許出願をリストアップした合意書案を作成するに至っているのであるから,日本において特許を受ける権利を有することの確認を求める訴えを提起することが可能であったのに,これを提起することなく,みすみす本件特許権2及び同3の設定登録(本件特許権2について平成21年,同3について平成24年)を許しているのである。被告は,原告らが移転義務を認める旨の合意書に署名していたことから特許を受ける権利の確認訴訟を提起する機会が失われたとも主張するが,少なくとも被告が韓国において原告らを相手方として訴えを提起した2006年(平成18年)10月頃には,原告大林精工及び原告Bが合意書に従って本件各特許権等の移転登録手続に応じる意思がないことを認識し得たのであるから,被告が,日本の特許出願に関する訴えについて国際裁判管轄を有することが明らかな日本の裁判所に,自らが特許を受ける権利を有することの確認を求める訴えを提起することができなかったとはいえない。この点においても,平成13年最判は,本件とは事案を異にするものであり,被告による特許権移転登録手続請求を理由付けるものとはならないというべきである。  以上の次第であるから,不当利得返還請求権又は不当利得の法理により,原告大林精工及び原告Bに対して,本件各特許権の移転登録手続を求める被告の請求は,いずれも理由がないというべきである。
43
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裁判所:大阪地裁
判決日:2016-11-15
事件番号:平成27(ワ)7307
事件種別:実施料等請求
原告:株式会鴻池組(特許権者)
被告:松田技研工業株式会社
判決:請求認容
裁判部:第21民事部
裁判官:森崎英二(裁判長),田原美奈子,大川潤子
発明の名称等:「汚染土壌の固化・不溶化方法」
争点:実施料支払義務の有無(あり)
参照条文:78条
分野:化学
分類:方法(汚染土壌の固化・不溶化)
ポイント: 被告製品2の販売により発生する本件契約に基づく実施料は,その1トン当たりの販売価格である●(省略)●円に,その販売量合計●(省略)●トンを乗じ,さらに,これに実施料率3%を乗じた額である1932万9750円であると認めるのが相当である。
44
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-08-29
事件番号:平成27(行ケ)10216
事件種別:審決取消請求
原告:アレヴァ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),片岡早苗,古庄研
発明の名称等:「放射能で汚染された表面の除染方法」
争点:実質拡張乃至変更(該当→該当)
参照条文:126条6項
分野:化学
分類:方法(放射能除染)
ポイント: 本件訂正事項(燐酸→ホスホン酸)を訂正することは,本件公報に記載された特許請求の範囲の表示を信頼する当業者その他不特定多数の一般第三者の利益を害することになるものであって,実質上特許請求の範囲を変更するものであり,126条6項により許されない。
45
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-10-11
事件番号:平成27(ネ)10061 <原審;東京地方裁判所平成24(ワ)25935>
事件種別:補償金請求控訴
原告:X1/X2 <控訴人>
被告:日本ゼオン株式会社 <被控訴人>
判決:控訴認容
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長),杉浦正樹,寺田利彦
発明の名称等:「ドライエッチング方法」
争点:職務発明対価額算定における貢献の程度
参照条文:旧35条4項
分野:化学
分類:方法(ドライエッチング)
ポイント: 被控訴人は,本件製品の事業化に向けたプロセスにおいて,戦略的な特許出願を含め,関連部署が横断的に関与して積極的に事業化を推進していたことがうかがわれるところ,控訴人X1も,研究開発部門である合成研究室長として同プロセスに関与し,その職責を遂行していたことに鑑みると,本件発明4をなした点を除けば,特許出願の関係も含め本件製品の事業化に対する控訴人X1の関与は,いわば被控訴人の従業員としてなすべき職務を遂行したものというべきであって,本件発明4に対する貢献という観点からはむしろ被控訴人の貢献と見るべき要素として把握される。これらの事情をはじめ,前記認定に係る本件各発明に至る経緯等を考慮すると,本件発明4についての被控訴人の貢献の程度は95%,控訴人X1の貢献の程度は5%と見るのが相当である。
46
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裁判所:大阪地裁
判決日:2016-03-17
事件番号:平成26(ワ)9945
事件種別:特許権者確認等請求
原告:P1
被告:P2
判決:請求認容
裁判部:第26民事部
裁判官:髙松宏之(裁判長),田原美奈子,林啓治郎
発明の名称等:「還元装置及び同装置を用いた磁気水製造方法」
争点:特許権移転登録請求権の有無(あり)
参照条文:平成23年改正法74条
分野:化学
分類:装置(還元装置)
ポイント: 被告は,法律上の原因なくして,本件特許権を取得したという利益を得ているといえるから,原告は,被告に対し,不当利得返還請求権に基づいて,本件特許権について移転登録手続を請求することができる(最高裁判所平成13年6月12日判決・民集55巻4号793頁参照。なお,本件では,平成23年法律第63号による改正後の特許法74条は適用されない。)。
47
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-08-10
事件番号:平成28(ラ)10013 <原審;さいたま地方裁判所川越支部平成26(ワ)215>
事件種別:移送決定に対する抗告
原告:株式会社日本エネルギー開発/X1/X2/X3 <抗告人(基本事件被告)>
被告:Y <相手方(基本事件原告)>
判決:抗告認容
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),古河謙一,鈴木わかな
発明の名称等:「ナノ化された消火剤」
争点:特許権に関する訴え該当性(非該当)
参照条文:民訴法6条1項
分野:化学
分類:組成物(消火剤)
ポイント: 基本事件は,抗告人らの共同不法行為(詐欺)又は会社法429条に基づく損害賠償請求訴訟であるから,抽象的な事件類型が特許権に関するものであるということはできない。基本事件は,「特許権に関する訴え」(民訴法6条1項)に当たらないというべきであり,東京地方裁判所の専属管轄とは認められない。
48
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-02-24
事件番号:平成27(行ケ)10081
事件種別:審決取消請求
原告:日産化学工業株式会社(特許権者)
被告:沢井製薬株式会社(無効審判請求人)
判決:請求認容
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,鈴木わかな
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」 <「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」事件③>
争点:進歩性(なし→判断誤りあり)
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム塩)
ポイント: 本件発明1の回折角の数値は,15本のピーク全てについて,特許請求の範囲に記載されたその数値どおりのものと解釈すべきところ,甲3結晶及び甲5結晶の粉末X線回折測定における回折角(2θ)の数値は,本件発明1の15本のピーク全ての回折角の数値とその数値どおり一致するものではないから,本件発明1と甲3結晶及び甲5結晶が同一であるということができない。本件審決が,甲3結晶及び甲5結晶が本件発明1と同一の粉末X線回折の回折角(2θ)を有すると判断したことは,誤りである。
49
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-24
事件番号:平成27(行ケ)10113
事件種別:審決取消請求
原告:東和薬品株式会社(無効審判請求人)
被告:イコス・コーポレイション(特許権者)
判決:請求認容
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長),大西勝滋,神谷厚毅
発明の名称等:「単位製剤」
争点:進歩性(あり→なし)
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:製剤(タダラフィル単位製剤)
ポイント: 当業者であれば,甲10発明に係るタダラフィルにつき,平均的な成人患者(70kg)に対して1日当たり,概ね0.5~800mgの範囲において,ヒトの勃起機能不全の処置に有用であり,具体的には50mgのタダラフィルを含む錠剤乃至はカプセルが一例として考えられること,もっとも,実際の患者に投与する場合には,好適と考えられる投与計画を決定する必要があることを理解すると認められるところ,タダラフィルと同様にPDE5阻害作用を有するシルデナフィルにおいて,ヒトに投与した際,PDE5を阻害することによる副作用が生じることが本件優先日当時の技術常識であったことから,甲10のタダラフィルを実際に患者に投与するに当たっても,同様の副作用が生じるおそれがあることは容易に認識できたものといえる。そして,薬効を維持しつつ副作用を低減させることは医薬品における当然の課題であるから,これらの課題を踏まえて上記の用量の範囲内において投与計画を決定する必要があることを認識するものと認められる。そうすると,そのような当業者において,前記技術常識を踏まえ,甲10に記載された用量の下限値である0.5mgから段階的に量を増やしながら臨床試験を行って,最小の副作用の下で最大の薬効・薬理効果が得られるような投与計画の検討を行うことは,当業者が格別の創意工夫を要することなく,通常行う事項であると認められる。
50
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-11-16
事件番号:平成27(行ケ)10166
事件種別:審決取消請求
原告:イーライ・リリー・アンド・カンパニー(特許権者)
被告:沢井製薬株式会社(無効審判請求人)
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),片岡早苗,古庄研
発明の名称等:「ベンゾチオフェン類を含有する医薬製剤」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:製剤(ラロキシフェン)
ポイント: ラロキシフェンは,子宮癌の発生に関係する子宮に対するエストロゲン作用がタモキシフェンよりも弱いことが周知であり,特に,子宮上皮細胞成長作用がタモキシフェンよりも弱いことも知られていた以上,当業者であれば,ラロキシフェンは,タモキシフェンよりも子宮癌のリスクが低いことを容易に予測し得たということができる。したがって,引用発明の「9月齢の退役した経産雌ラットにおいて卵巣切除による灰密度の低下を有意に遅らせたケオキシフェン」を,ヒトの骨粗鬆症の治療又は予防用医薬製剤として適用した場合に,タモキシフェンより子宮癌のリスクが低い製剤となることは,当業者が容易に想到することができたものと認められる。
51
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-01-13
事件番号:平成27(行ケ)10016
事件種別:審決取消請求
原告:ノバルティス ヴァクシンズ アンド ダイアグノスティクス エスアールエル
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),片岡早苗,新谷貴昭
発明の名称等:「細胞培養物において増殖されたインフルエンザウイルスから調製された非ビリオン抗原を含むアジュバントワクチン」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:組成物(ワクチン)
ポイント: 本願明細書には,細胞培養物で増殖されたウイルスから調製した抗原を使用しつつ,MF59をアジュバントとして使用した場合に関するT細胞応答の効果の有無及び程度に関し,他のアジュバントを使用した場合やアジュバントなしの場合との比較はされているが,使用した抗原の培養場所が細胞培養物以外の場合との比較という観点からの記載はない。図1,6及び8は,特定の抗原を用いた場合に限られ,補正発明全体における効果とはいえない上に,異なる抗原を用いた場合の効果と比較することもできず,この記載を,補正発明の顕著な効果の根拠とすることはできない。
52
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-25
事件番号:平成27(行ケ)10014
事件種別:審決取消請求
原告:DKSHジャパン株式会社/岩城製薬株式会社/高田製薬株式会社/株式会社ポーラファルマ(無効審判請求人)
被告:中外製薬株式会社/ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニバーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),大寄麻代,岡田慎吾
発明の名称等:「ビタミンDおよびステロイド誘導体の合成用中間体およびその製造方法」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:方法(マキサカルシトール合成)
ポイント: 甲4発明1の試薬は本件発明1の試薬とは異なるから,甲4発明1から本件発明1に想到するには,本件発明1の試薬を甲4発明1の試薬に代えて使用する動機付けが必要となる。この点,本件試薬の構造自体は公知であった(甲1)が,そもそも甲第4号証の図9記載の工程は,マキサカルシトールとは異なり,二種類の立体配置が存在する側鎖末端構造を有するマキサカルシトールの予想代謝物(12),(13)を選択的に合成するための製造方法であって,甲4発明1はその一連の工程の一部である。そして,甲4発明1においては,上記二種類のマキサカルシトールの予想代謝物の合成のため,二種類のエポキシド化合物(18)又は(19)(両者は,側鎖末端の立体配置〔R体とS体〕が異なる異性体である。)を選択的に作り分けることを目的として,香月-シャープレス反応を用いており,その香月-シャープレス反応に必要な二重結合を出発物質の側鎖に導入するための試薬として,二重結合を側鎖に有する特定の試薬(4-ブロモ-2-メチル-テトラヒドロピラニルオキシ-2-ブテン)を選択しているものであって,当該試薬に代えて本件試薬を用いることについては,甲第4号証にも,甲第1号証にも記載されておらず,その示唆もない。
53
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-10-12
事件番号:平成27(行ケ)10251
事件種別:審決取消請求
原告:セルビオス-ファーマ エス アー(無効審判請求人)
被告:ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニバーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク/中外製薬株式会社(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),中村恭,森岡礼子
発明の名称等:「ビタミンDおよびステロイド誘導体の合成用中間体およびその製造方法」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:方法(マキサカルシトール合成)
ポイント: エポキシ基の開環反応によってアルコールを合成する方法が技術常識であることを考慮しても,甲1発明につき,エポキシ中間体を経由する反応経路を探索する動機付けはない。当業者が,エポキシ基を開環するという基本的知識を有していたとしても,OCTのより効率的な製造方法としての一連の工程として,エポキシ基を有する試薬をエポキシ基を保持させたまま甲1発明の出発物質と反応させて,エポキシ中間体を経由する反応経路を探索することが容易に想到できたということはできない。
54
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-11-28
事件番号:平成27(行ケ)10241
事件種別:審決取消請求
原告:旭化成ファーマ株式会社
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),中村恭,森岡礼子
発明の名称等:「1回当たり100~200単位のPTHが週1回投与されることを特徴とする,PTH含有骨粗鬆症治療/予防剤」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:用途(PTH含有骨粗鬆症治療/予防剤)
ポイント: 本願発明は,骨粗鬆症患者のうち,より重篤な病態で,骨折のリスクがより増大している者を対象に,甲1と同じ用量・頻度で同じ薬剤を投与するものであり,その対象者の各条件が,それぞれ各条件を満たす者の群と満たさない者の群とにおける投与結果を比較して,投薬の有効性を分析した結果,定められた条件であるといえないのであって,結局,甲1発明に基づいて,甲1の200単位投与の対象者を,本願発明の対象者とすることにつき,当業者の格別の創意を要したものとはいえない。
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-30
事件番号:平成27(行ケ)10054
事件種別:審決取消請求
原告:東和薬品株式会社(無効審判請求人)
被告:メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション(特許権者)
判決:請求認容
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),片岡早苗,新谷貴昭
発明の名称等:「気道流路および肺疾患の処置のためのモメタゾンフロエートの使用」
争点:進歩性(あり→なし(審決検討不十分))
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:用途(アレルギー性鼻炎治療)
ポイント: 本件発明には,薬としての一定の治療効果を有し,実用可能な程度の副作用しかないことは認められるとしても,本件発明の当該効果が,甲1発明及び甲2発明の効果とは相違する効果であるということはできないし,また,本件明細書上,それらの効果とどの程度異なるのかを読み取ることができない以上,これをもって,当業者が引用発明から予測する範囲を超えた顕著な効果ということもできない。よって,この点に関する審決の判断には誤りがある。審決は,甲1及び甲2には,1日1回の投与の記載がなく,治療効果の程度についての記載もなく,本件発明の治療効果を予測できないと判断した。しかしながら,甲1発明及び甲2発明において,一定の治療効果が認められながらその程度についての記載がない以上,当該効果が本件発明の効果よりも明らかに劣るものと認められない限り,本件発明の効果が顕著なものであるとはいえないはずである。審決は,甲1及び甲2の治療効果の程度についての認定をせずに,本件発明の効果がこれを格別上回ると判断したものであって,論理的に誤りがあるといわざるを得ない。
56
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-04-20
事件番号:平成27(行ケ)10033
事件種別:審決取消請求
原告:メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション(特許権者)
被告:マイラン製薬株式会社/テバ ファーマスーティカル インダストリーズ リミティド(無効審判請求人)
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),鈴木わかな,田中芳樹
発明の名称等:「5α-レダクターゼ阻害剤によるアンドロゲン脱毛症の治療方法」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:用途(アンドロゲン脱毛症治療)
ポイント: 当業者は,本件優先日当時,禿げかかった5匹の成体雄 stumptail macaque サルに対して0.5mg/日のフィナステライドをリンゴのスライスに塗布して経口投与したところ,うち4匹が頭皮毛髪重量の増加を示したという引用発明に係る実験の結果から,フィナステライドがヒトのアンドロゲン脱毛症患者に対しても頭皮毛髪重量の増加を促すことを期待して,フィナステライドをヒトのアンドロゲン脱毛症の治療に試用するものと考えられるから,フィナステライドをヒトのアンドロゲン脱毛症の治療に用いる動機付けは十分にあるというべきである。
57
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-12-20
事件番号:平成27(ワ)28467
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)
被告:武田テバファーマ株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長),萩原孝基,中嶋邦人
発明の名称等:「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」 <「オキサリプラチン製剤」事件⑩>
争点:進歩性(なし)
参照条文:29条2項 104条の3
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 少なくともオキサリプラチンの濃度を5mg/mlとしたオキサリプラチン水溶液を乙4公報に記載された条件に準じて調製すれば,調製条件に多少の差異があったとしても,構成要件G及びIに規定するモル濃度の範囲内のシュウ酸を含有するオキサリプラチン溶液組成物が生成されると認められる。そして,乙4発明におけるオキサリプラチンの濃度が1~5mg/mlの範囲に設定されていること,乙4発明のオキサリプラチン水溶液についてシュウ酸の濃度が測定されていたことからすれば,オキサリプラチンの濃度を5mg/mlとするオキサリプラチン水溶液を調製してこのシュウ酸の濃度を測定することは当業者にとって容易であるということができる。また,シュウ酸のモル濃度を構成要件G及びIに規定されている範囲内とすることが格別困難であるとはうかがわれない。さらに,本件明細書の記載上,緩衝剤の濃度を上記範囲とすることに何らかの臨界的意義があるとは認められない。  そうすると,乙4発明に接した当業者がオキサリプラチンの濃度を5mg/mlとしたオキサリプラチン水溶液を調製し,そのシュウ酸のモル濃度を構成要件G及びIに規定する範囲内のものとすること,即ち本件発明等と乙4発明の相違点に係る構成に至ることは容易であったというべきである。したがって,本件発明等は進歩性を欠くものと認められる。
58
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-12-20
事件番号:平成27(ワ)28698
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)
被告:沢井製薬株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長),萩原孝基,中嶋邦人
発明の名称等:「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」 <「オキサリプラチン製剤」事件⑪>
争点:進歩性(なし)
参照条文:29条2項 104条の3
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 少なくともオキサリプラチンの濃度を5mg/mlとしたオキサリプラチン水溶液を乙7公報に記載された条件に準じて調製すれば,調製条件に多少の差異があったとしても,構成要件Gに規定するモル濃度の範囲内のシュウ酸を含有するオキサリプラチン溶液組成物が生成されると認められる。そして,乙7発明におけるオキサリプラチンの濃度が1~5mg/mlの範囲に設定されていること,乙7発明のオキサリプラチン水溶液についてシュウ酸の濃度が測定されていたことからすれば,オキサリプラチンの濃度を5mg/mlとするオキサリプラチン水溶液を調製してこのシュウ酸の濃度を測定することは当業者にとって容易であるということができる。また,シュウ酸のモル濃度を構成要件Gに規定されている範囲内とすることが格別困難であるとはうかがわれない。さらに,本件明細書の記載上,緩衝剤の濃度を上記範囲とすることに何らかの臨界的意義があるとは認められない。  そうすると,乙7発明に接した当業者がオキサリプラチンの濃度を5mg/mlとしたオキサリプラチン水溶液を調製し,そのシュウ酸のモル濃度を構成要件Gに規定する範囲内のものとすること,即ち本件発明等と乙7発明の相違点に係る構成に至ることは容易であったというべきである。したがって,本件発明等は進歩性を欠くものと認められる。
59
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-06-22
事件番号:平成27(ワ)12609
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:メルク・シャープ・アンド・ドーム・コーポレーション(特許権者)
被告:ファイザー株式会社/ マイラン製薬株式会社 (補助参加人)
判決:請求棄却
裁判部:民事第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長),鈴木千帆,天野研司
発明の名称等:「5α-レダクターゼ阻害剤によるアンドロゲン脱毛 症の治療方法」
争点:進歩性(なし)
参照条文:29条2項 104条の3
分野:医薬類
分類:用途(アンドロゲン脱脳症治療)
ポイント: 引用例1には,同文献に記載の試験において用いられた stumptail macaque が,「ヒト脱毛症の十分に確立したアンドロゲン-依存性モデル」である旨記載されている。引用例1記載の試験は,ヒト脱毛症の動物モデルによるものであり,該試験はヒトの治療薬を得ることを意図したものということができるところ,フィナステライドの経口投与により,5頭の stumptail macaque のうちの4頭において頭皮の毛髪の重量を増加させたとの試験結果から,フィナステライドについてヒトの治療薬としての適性を認識し,ヒトにおけるアンドロゲン脱毛症治療用という用途を想起することは,本件優先日当時,当業者にとって何ら困難なことではなかったといえる。
60
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-31
事件番号:平成27(行ケ)10052
事件種別:審決取消請求
原告:タイワンジェ ファーマシュティカルズ カンパニー リミテッド
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),大寄麻代,岡田慎吾
発明の名称等:「ナルメフェン及びそれの類似体を使用する疾患の処置」
争点:サポート要件(違反あり→あり)
参照条文:36条6項1号
分野:医薬類
分類:用途(ナルメフェン含有ウイルス感染性予防薬)
ポイント: 本願明細書の発明の詳細な説明には,式R-A-Xの化合物が,「B型肝炎より選択された,ウィルス性の感染を予防又は治療するための医薬」という医薬用途において使用できること,即ちヒト又は動物の生体内におけるB型肝炎ウィルスの増殖抑制作用を有することを当業者が理解できるように記載されているとはいえない。  したがって,本願発明は,発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識により当業者が課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められず,特許法36条6項1号の規定を満たさない。
61
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-09
事件番号:平成27(行ケ)10105
事件種別:審決取消請求
原告:ホスピーラ・ジャパン株式会社(無効審判請求人)
被告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)/株式会社ヤクルト本社(被告補助参加人)
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),中村恭,中武由紀
発明の名称等:「オキサリプラティヌムの医薬的に安定な製剤」 <「オキサリプラチン製剤」審決取消請求事件>
争点:明確性要件(違反なし→なし)
参照条文:36条6項2号
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 「(A)からなる」という場合には,Aを必須の構成要素とすることは明確であるものの,それ以上に,Aのみで構成され,他の成分を含まないものか,Aのほかに他の成分を許容するか否かについて規定するものではなく,「Aのみからなる」場合をも包含する概念であると認められる。例えば,含有する金属が一部異なると,特質が全く異なるものとなる一部の合金における分野等と異なり,医薬液体製剤については,pHの調整や,安定性,保存性を高めるために何らかの添加剤が含有される場合が多いことは,周知のことである。  そうすると,明細書において,「からなる」の前に摘示された素材,構成要素以外の成分を排除することが明らかでない限り,「Aからなる」とは,Aを必須の構成要素とするものである以上に,他の成分については規定しておらず,単に「Aを含む」ものがその技術範囲に含まれると理解することになるものと解され,また,他の成分を排除するか否か規定していないからといって,「Aからなる」の語が,特段不明確な用語と理解されるものでもない。
62
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-03-30
事件番号:平成27(ワ)12414
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)
被告:東和薬品株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長),鈴木千帆,笹本哲朗
発明の名称等:「オキサリプラティヌムの医薬的に安定な製剤」 <「オキサリプラチン製剤」事件②>
争点:存続期間が延長された特許権の効力(及ばない)
参照条文:68条の2
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 被告各製品は,「オキサリプラティヌムの医薬的に安定な製剤」に関する発明であって,医薬品の成分全体を特徴的部分とする本件発明との関係では,本件各処分の対象となった物とは有効成分以外の成分が異なる物であり,当該成分の相違は,被告各製品について政令処分を受けるのに必要な試験が開始された時点において,本件発明との関係では,単なる周知技術・慣用技術の付加等に当たるとはいえず,新たな効果を奏するものというべきである。したがって,「分量,用法,用量,効能,効果」について検討するまでもなく,被告各製品は,本件各処分の対象となった「当該用途に使用される物」の均等物乃至実質同一物に該当するということはできない。被告各製品は,本件各処分の対象となった「(当該用途に使用される)物」ではなく,その均等物乃至実質同一物に該当するものということもできない。したがって,存続期間が延長された本件特許権の効力は,被告による被告各製品の生産等には及ばないものというべきである。
63
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-12-02
事件番号:平成27(ワ)12415
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)
被告:ホスピーラ・ジャパン株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第40部
裁判官:東海林保(裁判長),廣瀬孝,勝又来未子
発明の名称等:「オキサリプラティヌムの医薬的に安定な製剤」 <「オキサリプラチン製剤」事件⑥>
争点:存続期間が延長された特許権の効力(及ばない)
参照条文:68条の2
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 本件では,構成要件1C「オキサリプラティヌムの水溶液からなり」の意義について争いがあるものの,延長された本件特許1の効力は,「本件処分対象物についての本件発明1」の実施の行為にのみ及ぶところ,延長登録前の本件発明1における構成要件1Cの意義にかかわらず,本件処分対象物についての本件発明1は,その成分を,オキサリプラチン及び注射用水のみからなるものに特定されている。そこで被告各製品の成分について検討するに,被告各製品は,酒石酸及び水酸化ナトリウムを含有する点で本件処分対象物についての本件発明1とは「成分」が異なる。この点に関して原告は,酒石酸及び水酸化ナトリウムは添加物であって「成分」ではないから,本件処分対象物と被告各製品の「成分」は同一であると主張する。しかし,「成分」には,有効成分であるか否かにかかわらず製剤に含有されるもの全てが含まれると解すべきであり,このことは,被告が,医薬品医療機器等法14条1項に基づく承認申請において,添加物についても「成分」として申請し,厚生労働大臣の承認を受けていることとも整合するというべきであるから,原告の上記主張は採用することができない。したがって,被告各製品は本件処分対象物と同一であるということはできず,また,被告各製品は延長された本件特許1における構成要件1C「オキサリプラティヌムの水溶液からなり」を文言上は充足しない。
64
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-12-22
事件番号:平成27(ワ)12412
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)
被告:武田テバファーマ株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第47部
裁判官:沖中康人(裁判長),矢口俊哉,村井美喜子
発明の名称等:「オキサリプラティヌムの医薬的に安定な製剤」 <「オキサリプラチン製剤」事件⑫>
争点:存続期間が延長された特許権の効力(及ばない)
参照条文:68条の2
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 仮に,オキサリプラチン水溶液に乳糖水和物を添加すること自体が,被告製品について政令処分を受けるのに必要な試験が開始された時点において既に知られていたとしても,少なくとも,別件発明所定の条件を充たす乳糖水和物を添加する方法で製造したオキサリプラチン水溶液は,前記のような新たな効果を奏するものといえ,これが単なる周知技術にすぎないとはいえない。したがって,オキサリプラチン水溶液に一定の条件を充たす乳糖水和物を添加することは,本件発明との関係において,周知・慣用技術の付加等にすぎないとはいえず,むしろ,ジアクオDACHプラチン二量体の発生を抑制し,オキサリプラチン水溶液の安定性を向上させるという新たな効果を奏するものといえるから,被告製品は,本件処分の対象となった政令処分対象物の均等物乃至実質的に同一と評価される物とはいえない。したがって,存続期間延長後の本件特許権の効力は,被告製品の製造等には及ばない。
65
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裁判所:大阪地裁
判決日:2016-01-28
事件番号:平成26(ワ)12527 平成26(ワ)12531
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:日産化学工業株式会社(特許権者)
被告:株式会社三和化学研究所/キョーリンリメディオ株式会社
判決:請求棄却
裁判部:第21民事部
裁判官:森崎英二(裁判長),田原美奈子,大川潤子
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」 <「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」事件①>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム塩)
ポイント: 特許請求の範囲及び明細書の記載によれば,本件各発明の技術的範囲に属するというためには,構成要件C,C′に規定された15本のピーク全てについて回折角の数値が小数点以下2桁まで一致することを要すると解すべきである。被告ら製剤が使用する原薬に含まれるピタバスタチンカルシウム塩における15本のピークの回折角(2θ)は,別紙物件目録1及び別紙物件目録3記載のとおりである旨の原告主張を前提としても,三和錠においてはそのうち12本のピークの数値が,杏林錠においてはそのうち11本のピークの数値が,いずれも構成要件C,C′の回折角の数値と小数点第2位まで一致しているわけではないから,構成要件C,C′を充足せず,この原薬に含まれるピタバスタチンカルシウム塩を含有する被告ら製剤についても構成要件C,C′を充足しないことになる。
66
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-02-24
事件番号:平成27(ネ)10080 <原審;東京地方裁判所平成26(ワ)5187>
事件種別:特許権侵害差止等請求控訴
原告:日産化学工業株式会社 <控訴人(特許権者;一審原告)>
被告:沢井製薬株式会社 <被控訴人(一審被告)>
判決:控訴棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,鈴木わかな
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」 <「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」事件②>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム塩)
ポイント: 特許請求の範囲の記載に加え,本件各明細書の記載を参酌したとしても,本件各発明の構成要件C・C’を充足するためには,15本のピーク全ての回折角の数値がその数値どおり一致することを要し,その全部又は一部が一致しないピタバスタチンカルシウム塩の結晶又はその保存方法は,本件各発明の技術的範囲に属するということができないものと解するのが相当である。
67
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-09
事件番号:平成27(ネ)10108 <原審;東京地方裁判所平成26(ワ)688>
事件種別:特許権侵害差止等請求控訴
原告:日産化学工業株式会社 <控訴人(特許権者;一審原告)>
被告:相模化成工業株式会社/日医工株式会社/壽製薬株式会社 <被控訴人(一審被告)>
判決:控訴棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,鈴木わかな
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」 <「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」事件④>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム塩)
ポイント: 特許請求の範囲の記載に加え,本件各明細書の記載を参酌したとしても,本件各発明の構成要件C・C’を充足するためには,15本のピーク全ての回折角の数値がその数値どおり一致することを要し,その全部又は一部が一致しないピタバスタチンカルシウム塩の結晶又はその保存方法は,本件各発明の技術的範囲に属するということができないものと解するのが相当である。
68
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-09
事件番号:平成27(ネ)10104 <原審;東京地方裁判所平成26(ワ)3344,同3345>
事件種別:特許権侵害差止等請求控訴
原告:日産化学工業株式会社 <控訴人(特許権者;一審原告)>
被告:日本ケミファ株式会社/日新製薬株式会社 <被控訴人(一審被告)>
判決:控訴棄却
裁判部:第4部
裁判官:髙部眞規子(裁判長),柵木澄子,鈴木わかな
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」 <「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」事件⑤>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム塩)
ポイント: 特許請求の範囲の記載に加え,本件各明細書の記載を参酌したとしても,本件各発明の構成要件C・C’を充足するためには,15本のピーク全ての回折角の数値がその数値どおり一致することを要し,その全部又は一部が一致しないピタバスタチンカルシウム塩の結晶又はその保存方法は,本件各発明の技術的範囲に属するということができないものと解するのが相当である。
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-02-16
事件番号:平成26(ワ)17390
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:わかもと製薬株式会社(特許権者)
被告:富士レビオ株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長),萩原孝基,中嶋邦人
発明の名称等:「ヘリコバクター・ピロリへの感染を判定する検査方法及び検査試薬」
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:検査薬(ヘリコバクターピロリ感染)
ポイント: 被告製品1及び2のモノクローナル抗体は,ヘリコバクター・ピロリのネイティブなカタラーゼだけでなく,変性剤で変性されたカタラーゼとも結合するモノクローナル抗体であるから,構成要件1Bの「ヘリコバクター・ピロリのネイティブなカタラーゼに対するモノクローナル抗体」に当たらない。したがって,被告製品1及び2が構成要件1Bを充足すると認めることはできない。
70
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-03-03
事件番号:平成27(ワ)12416
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)
被告:日本化薬株式会社
判決:請求認容
裁判部:民事第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長),萩原孝基,中嶋邦人
発明の名称等:「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」 <「オキサリプラチン製剤」事件①>
争点:技術的範囲の属否(属する)<文言侵害成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 特許請求の範囲の記載をみるに,本件発明は,その文言上,オキサリプラチン,水及び「有効安定化量の緩衝剤」である「シュウ酸またはそのアルカリ金属塩」を「包含」する「安定オキサリプラチン溶液組成物」に係る物の発明であり,緩衝剤であるシュウ酸等のモル濃度を一定の範囲に限定したものである。そして,オキサリプラチン水溶液に「包含」される緩衝剤であるシュウ酸等の量のみが規定され(構成要件G),シュウ酸等を添加することなど上記組成物の製造方法に関する記載はない。この「包含」とは「要素や事情を中にふくみもつこと」(広辞苑〔第六版〕参照)をいうことからすれば,オキサリプラチン水溶液に「包含」されるシュウ酸とは,オキサリプラチン水溶液中に存在する全てのシュウ酸をいい,添加したシュウ酸に限定されるものではないと解するのが相当である。構成要件Gに規定されたモル濃度の範囲内にある量のシュウ酸を含んでいれば構成要件B,F及びGを充足すると解すべきところ,被告製品はこれを含有する。したがって,被告製品は本件発明の技術的範囲に属すると判断するのが相当である。
71
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-09-12
事件番号:平成27(ワ)28849
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー
被告:サンド株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長),笹本哲朗,天野研司
発明の名称等:「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」 <「オキサリプラチン製剤」事件③>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 請求項1において,あえて「緩衝剤がシュウ酸またはそのアルカリ金属塩であり,」と規定したのは,「シュウ酸」又は「そのアルカリ金属塩」が緩衝剤として添加(外部から付加)されることが前提とされているとみるのが合理的であり,一般に,「剤」という用語は,「各種の薬を調合すること。また,その薬。」(広辞苑第六版)を意味するとされていることをも併せ考えれば,同規定は,緩衝剤が「包含」されたオキサリプラチン溶液における,緩衝剤の由来(添加,即ち外部から付加されたということ)を示すものと理解するのが相当というべきである。  したがって,本件発明にいう「緩衝剤」には,オキサリプラチンが溶媒中で分解して生じたシュウ酸(解離シュウ酸)は含まれないと解するのが相当である。
72
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-10-28
事件番号:平成27(ワ)28468
事件種別:特許権侵害に基づく損害賠償請求
原告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)
被告:日医工株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第40部
裁判官:東海林保(裁判長),勝又来未子,古谷健二郎
発明の名称等:「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」 <「オキサリプラチン製剤」事件⑤>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 本件発明における「緩衝剤」としての「シュウ酸」が添加したものに限られず,解離シュウ酸をも含むものと解すると,上記対応米国特許及び対応ブラジル特許の技術思想とは整合しなくなり不合理である。被告は,被告製品にシュウ酸は添加していないと主張しているところ,原告は,被告製品に,構成要件G記載の範囲に含まれるシュウ酸が添加されている旨の主張はしていないから,被告製品にシュウ酸が添加されていないことについて当事者間に争いがない。そうすると,被告製品は,構成要件B,F及びGを充足しない。
73
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-10-31
事件番号:平成28(ワ)15355
事件種別:特許権侵害に基づく損害賠償請求
原告:株式会社ヤクルト本社(専用実施権者)/デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)
被告:日本化薬株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長),鈴木千帆,天野研司
発明の名称等:「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」 <「オキサリプラチン製剤」事件④>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 本件発明にいう「緩衝剤」には,オキサリプラチンが溶媒中で分解して生じたシュウ酸イオン(解離シュウ酸)は含まれないと解するのが相当である。被告各製品に含まれるオキサリプラチン溶液に存在するシュウ酸イオンが,解離シュウ酸であって,添加されたシュウ酸又はそのアルカリ金属塩に由来するシュウ酸イオンでないことは,当事者間に争いがない。そして,解離シュウ酸が,本件発明1の「緩衝剤」に当たらないことは,既に述べたとおりである。したがって,被告各製品は,構成要件1B,1F及び1Gをいずれも充足しない。
74
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-12-02
事件番号:平成27(ワ)28699(甲事件)/平成27(ワ)28848(乙事件)/平成27(ワ)29004(丙事件)
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)
被告:第一三共エスファ株式会社(甲事件被告)/ 富士フイルムファーマ株式会社(乙事件被告)/ニプロ株式会社(丙事件被告)
判決:請求棄却
裁判部:民事第40部
裁判官:東海林保(裁判長),廣瀬孝,勝又来未子
発明の名称等:「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」 <「オキサリプラチン製剤」事件⑦>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 「緩衝剤」は,「酸性または塩基性剤」と定義されているが,広辞苑第六版によれば,「剤」とは「各種の薬を調合すること。また,その薬。」を意味するから,「酸性または塩基性剤」は,酸性または塩基性の各種の薬を調合した薬を意味すると考えることが自然である。そして,解離シュウ酸は,「各種の薬を調合した薬」に当たるとはいえない。したがって,本件明細書の段落【0022】記載の「緩衝剤」の定義は,緩衝剤に解離シュウ酸が含まれることを意味していないと考えられる。本件発明1の「緩衝剤」には解離シュウ酸が含まれるという原告の主張は採用することができない。そして,被告各製品にはシュウ酸が添加されていないから,被告各製品は,構成要件B,F及びGを充足しない。よって,被告各製品は,本件発明1に属しない。
75
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-12-06
事件番号:平成27(ワ)29001
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)
被告:マイラン製薬株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第47部
裁判官:沖中康人(裁判長),廣瀬達人,村井美喜子
発明の名称等:「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」 <「オキサリプラチン製剤」事件⑧>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 本件発明に係る特許請求の範囲には,「緩衝剤がシュウ酸またはそのアルカリ金属塩であり,」(構成要件F)と規定されている。この点,一般的に,「緩衝剤」とは,「緩衝液をつくるために用いられる試薬の総称」とされ(「化学大辞典」),「剤」とは「各種の薬を調合すること。また,その薬。」と解されていること(「広辞苑」))や医薬品に関する文献の記載などに照らせば,「緩衝剤」は外部から添加されるものであることが前提とされているといえ,当業者も同旨の理解をしている。また,緩衝剤である「シュウ酸またはそのアルカリ金属塩」が包含された溶液においては,「シュウ酸またはそのアルカリ金属塩」の少なくとも一部は,シュウ酸イオンとして存在することが予定されているが,仮に,「シュウ酸」について解離シュウ酸(シュウ酸イオン)を含むと解すると,「そのアルカリ金属塩」を添加した場合,緩衝剤として,シュウ酸を使用したともそのアルカリ金属塩を使用したとも解されることになって不合理である。以上によれば,構成要件B,F及びGの「緩衝剤」とは,添加された「シュウ酸またはそのアルカリ金属塩」であって解離シュウ酸は含まれないと解するのが相当である。被告製品には「シュウ酸またはそのアルカリ金属塩」が添加されていないと認められることによれば,被告製品は,構成要件B,F及びGを充足しない。
76
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-12-07
事件番号:平成27(ワ)29158
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー(特許権者)
被告:共和クリティケア株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第40部
裁判官:東海林保(裁判長),廣瀬孝,勝又来未子
発明の名称等:「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」 <「オキサリプラチン製剤」事件⑨>
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 本件明細書の段落【0022】に記載された「緩衝剤」の定義は,緩衝剤に解離シュウ酸が含まれることを意味していないというべきである。被告各製品には「緩衝剤」たり得るシュウ酸又はそのアルカリ金属塩が添加されていないから,被告各製品は,構成要件B,F及びGを充足せず,本件発明の技術的範囲に属しない。
77
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-12-08
事件番号:平成28(ネ)10031 <原審;東京地方裁判所 平成27(ワ)12416>
事件種別:特許権侵害差止請求控訴
原告:日本化薬株式会社 <控訴人(一審被告)>
被告:デビオファーム・インターナショナル・エス・アー <被控訴人(特許権者;一審原告)>
判決:控訴認容
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長),大西勝滋,杉浦正樹
発明の名称等:「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」 <「オキサリプラチン製剤」①控訴>
争点:技術的範囲の範囲(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:製剤(オキサリプラチン)
ポイント: 本件発明に係る特許請求の範囲の記載からみれば,本件発明における「緩衝剤」としての「シュウ酸」は,解離シュウ酸を含むものではなく,添加シュウ酸に限られるものと解するのが自然であるといえる。オキサリプラチン水溶液中の解離シュウ酸は,本件定義における「酸性または塩基性剤」に当たるものとは解されず,また,「不純物,例えばジアクオDACHプラチンおよびジアクオDACHプラチン二量体の生成を防止するかまたは遅延させ得る」ものともいえないというべきであるから,本件定義に照らしてみても,本件発明における「緩衝剤」としての「シュウ酸」は,解離シュウ酸を含むものではなく,添加シュウ酸に限られるものと解するのが相当である。本件発明における「緩衝剤」としての「シュウ酸」は,添加シュウ酸に限られ,解離シュウ酸を含まないものと解される。しかるところ,被告製品は,解離シュウ酸を含むものの,シュウ酸が添加されたものではないから,「緩衝剤」を含有するものとはいえず,構成要件B,F及びGの「緩衝剤」に係る構成を有しない。  そうすると,被告製品は,その余の構成要件について検討するまでもなく,本件発明の技術的範囲に属しないものと認められる。
78
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-25
事件番号:平成27(ネ)10014 <原審;東京地方裁判所平成25(ワ)4040>
事件種別:特許権侵害行為差止請求控訴
原告:DKSHジャパン株式会社/岩城製薬株式会社/高田製薬株式会社/株式会社ポーラファルマ <控訴人(一審被告)>
被告:中外製薬株式会社 <被控訴人(一審原告)>
判決:控訴棄却
裁判部:特別部
裁判官:設樂隆一(裁判長),清水節,髙部眞規子,大鷹一郎,大寄麻代
発明の名称等:「ビタミンDおよびステロイド誘導体の合成用中間体 およびその製造方法」 <「マキサカルシトール」事件(大合議)>
争点:技術的範囲の属否(属する)<均等論侵害成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:方法(マキサカルシトールの合成)
ポイント: 訂正発明の本質的部分は,ビタミンD構造又はステロイド環構造の20位アルコール化合物を,末端に脱離基を有する構成要件B-2のエポキシ炭化水素化合物と反応させることにより,一工程でエーテル結合によりエポキシ基を有する側鎖を導入することができるということを見出し,このような一工程でエーテル結合によりエポキシ基を有する側鎖が導入されたビタミンD構造又はステロイド環構造という中間体を経由し,その後,この側鎖のエポキシ基を開環するという新たな経路により,ビタミンD構造又はステロイド環構造の20位アルコール化合物にマキサカルシトールの側鎖を導入することを可能とした点にあると認められる。出発物質又は中間体の炭素骨格(Z)のビタミンD構造がシス体であることは,訂正発明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分とはいえず,その本質的部分には含まれない。  控訴人方法は,ビタミンD構造の20位アルコール化合物(出発物質A)を,末端に脱離基を有する構成要件B-2のエポキシ炭化水素化合物と同じ化合物(試薬B)と反応させることにより,出発物質にエーテル結合によりエポキシ基を有する側鎖が導入されたビタミンD構造という中間体(中間体C)を経由し,その後,この側鎖のエポキシ基を開環することにより,マキサカルシトールの側鎖をビタミンD構造の20位アルコール化合物に導入するものであるから,訂正発明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分を備えているといえる。
79
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-01-28
事件番号:平成26(ワ)25013
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:X(特許権者)
被告:興和株式会社/興和創薬株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長),藤原典子,萩原孝基
発明の名称等:「メニエール病治療薬」
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:用途(メニエール病治療)
ポイント: 一般に,薬剤の用法用量は添付文書に記載され,医薬品の製造販売業者から提供されることが義務づけられていることに照らすと,被告製品が構成要件Aを充足するというためには,構成要件A所定の用法用量が添付文書に記載されていること又は製造販売業者が提供する情報に含まれていることが必要であると考えられる。ところが,被告製品の添付文書,インタビューフォーム及びくすりのしおりに記載された用量に構成要件A所定の用量は含まれていない。なお,上記添付文書等には「症状により適宜増減する」という記載があるが,ここにいう適宜増減とは,投与開始時の患者の病状やその後の変化を踏まえ,医師の判断により投与量を増減させることをいうと解されるから,適宜増減の結果イソソルビトールの投与量が構成要件A所定の範囲に含まれる場合があるとしても,これをもって被告製品が本件発明の技術的範囲に属するということはできない。したがって,被告製品が構成要件Aを充足するということはできない。
80
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-07-28
事件番号:平成28(ネ)10023 <原審;東京地方裁判所平成26(ワ)25013>
事件種別:特許権侵害差止等請求控訴
原告:X <控訴人(特許権者;一審原告)>
被告:興和株式会社/興和創薬株式会社 <被控訴人(一審被告)>
判決:控訴棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),中島基至,岡田慎吾
発明の名称等:「メニエール病治療薬」
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:用途(メニエール病治療)
ポイント: 当裁判所も,被控訴人製品が本件発明の構成要件Aに規定する用途に使用するために製造販売されたものと認めることはできず,当該製造販売行為は本件発明における特許法2条3項にいう「実施」に該当しないから,控訴人の損害金の支払請求は理由がないものと判断する。
81
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-08
事件番号:平成27(行ケ)10043
事件種別:審決取消請求
原告:キュアバックゲーエムベーハー
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長),大西勝滋,神谷厚毅
発明の名称等:「トランスフェクションおよび免疫活性化のため のRNAの複合化」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:バイオ
分類:用途(治療用複合化RNA)
ポイント: 周知技術を踏まえると,引用発明において,最適なトランスフェクション効率を達成するために,複合性のカチオン性ペプチドの正電荷とRNAの負電荷のバランスに着目して,複合体の「1つのRNA(分子)の,1つ以上のオリゴペプチドに対する窒素/リン酸塩比(N/P比)」に着目し,これを変化させて最適化し,その値を,0.1~100の範囲内の値である0.5~50とすることは当業者において適宜行うことができたものと認められる。
82
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-11-30
事件番号:平成28(行ケ)10117
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社サーナ(無効審判請求人)
被告:株式会社ベストライフ(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),中村恭,森岡礼子
発明の名称等:「筋力トレーニング方法」
争点:公序良俗違反(なし→なし)
参照条文:32条
分野:バイオ
分類:方法(筋力トレーニング)
ポイント: 本件発明は,「筋肉に締めつけ力を付与するための緊締具を筋肉の所定部位に巻付け,その緊締具の周の長さを減少させ」ることにより,「筋肉に与える負荷が,筋肉に流れる血流を止めることなく阻害する」ものであるから,自然法則を利用したものであるが,人体の生理現象そのもののような自然法則それ自体を発明の対象とするものではない。そもそも,特許権は,業として発明を実施する権利を専有するものであり(特許法68条),業として行わなければ,本件発明の筋力トレーニング方法は誰でも自由になし得るのであり,本件特許はそれを制限するものではない。そうすると,原告の上記主張は,いずれも採用することができず,本件発明は,公の秩序,善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明とすることはできない。
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-09-21
事件番号:平成27(行ケ)10188
事件種別:審決取消請求
原告:ラプトール ファーマシューティカル インコーポレイテッド
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),片岡早苗,古庄研
発明の名称等:「環状受容体関連蛋白ペプチド」
争点:実施可能要件(違反あり→あり)
参照条文:36条4項1号
分野:バイオ
分類:ペプチド(環状受容体関連)
ポイント: 「配列番号97のアミノ酸配列に少なくとも70%同一である50個の連続するアミノ酸を含み,85アミノ酸長以下である環状RAPペプチド」であって,「1x10-8M以下の結合親和性KdでCR含有蛋白に結合し,該CR含有蛋白は列挙された34個の群から選択される」という環状RAPペプチドを製造するためには,本願明細書【0014】,【0019】,【0021】,【0022】及び【0239】の記載,並びに,アミノ酸配列から各CR含有蛋白との結合親和性を予測できないという本願出願日当時の技術常識を考慮すると,本願明細書の【0019】に示唆された「246,247,249,250,251,256,257,261,266,267,268,270,273,279,280,287,290,294,296,297,298,305,308,311,312,313」のいずれかの位置に,1~15個(50個×30%)の変異を行い,列挙された34個のCR含有蛋白との結合親和性を調べるという,当業者に期待し得る程度を超える試行錯誤を要することは明らかである。
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-01-29
事件番号:平成26(ワ)34467
事件種別:特許権侵害行為差止等請求
原告:一般社団法人家畜改良事業団(特許権者)
被告:全国農業協同組合連合会/株式会社ヤマネテック/エア・ウォーター・マッハ株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長),笹本哲朗,天野研司
発明の名称等:「家畜の人工授精用精子または受精卵移植用卵子の注入器及びその操作方法」
争点:技術的範囲の属否(属しない)<均等論侵害不成立>
参照条文:70条
分野:バイオ
分類:装置(人工授精用精子・卵子注入)
ポイント: 被告製品は,「外側パイプ」に相当するSUS製外側パイプ①と「可撓性チューブ」に相当するチューブ③との間に,別の部材であるSUS製内側パイプ②が介在しているのであるから,従来の受精卵移植器において,「内側パイプ」乃至「内パイプ」の内部に柔軟性チューブを繰出自在に収容するために必要であったクリアランス(隙間)部分を接着することにより,同クリアランス部分を不要とし,その限りで,「外側パイプ」に相当するSUS製外側パイプ①の外径を小さくしているということができるとしても,被告製品は,本件特許発明における「外側パイプ」の外径を小さくするとの効果(少なくとも,「外側パイプ」と「可撓性チューブ」との間に,別の部材が介在しないことによってもたらされる程度以上の効果)を奏するものとはいえない。
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-09-09
事件番号:平成27(行ウ)615
事件種別:手続却下処分取消請求
原告:フェルメンタル(外国語特許出願の翻訳文提出者)
被告:国(処分行政庁:特許庁長官)
判決:請求棄却
裁判部:民事第40部
裁判官:東海林保(裁判長),勝又来未子,古谷健二郎
発明の名称等:「フラッシュ様式での光の不連続な供給がある場合の混合栄養単細胞藻類の培養方法」
争点:正当な理由の有無(なし)
参照条文:184条の4第4項
分野:バイオ
分類:方法(混合栄養単細胞藻類の培養)
ポイント: 本件手続時には,管理者が,30か月の移行期限の国に対する指示書の作成時に,指示書の作成漏れがないことをチェックするようなクロスチェック体制が採られていたことを認めるに足りず,かえって,そのようなクロスチェック体制は何ら存しなかったことが強く推認される。そうすると,補助者が,移行期限が30か月である国について誤って31か月であると認識して期限徒過を招くことを防止することに関し,現地事務所において,補助者に対し十分な管理・監督を行える体制を構築していたとはいえないから,本件においては,必要とされるしかるべき相当な措置を講じていたにもかかわらず特殊な例外的事情により偶発的に過誤が発生したものと認めることはできない。したがって,本件において原告が国内書面提出期間内に特許庁に対し本件翻訳文を提出することができなかったことについて法184条の4第4項所定の「正当な理由」があるということはできない。
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-06-29
事件番号:平成27(行コ)10004 <原審;東京地方裁判所平成27(行ウ)202>
事件種別:異議申立却下決定取消請求控訴
原告:アンスティチューデ ヴェッソー エ デュ サン/ユニベルシテ パリ ディドロ-パリ7 <控訴人(一審原告)>
被告:国 <被控訴人(一審被告)> :裁決行政庁 特許庁長官
判決:控訴棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),中村恭,森岡礼子
発明の名称等:「血管新生促進性組成物,その調整方法およびその使用」
争点:行服法異議申立の却下決定の適法性(適法)
参照条文:行政不服審査法21条
分野:バイオ
分類:組成物(血管新生促進)
ポイント: 特許庁の担当者は,A弁理士の照会に対して適切な回答をしたのであり,控訴人らの代表者の資格証明に関する書面の提出を遅延させるような言動はなく,また,A弁理士らは,補正期限直近になって特許庁に具体例の調査を求めてきたのであり,本来,本件異議申立て前に行うべき自らの調査等が不十分なまま漫然と補正期限を徒過したものといわざるを得ない。  以上からすれば,控訴人らが補正期間内に控訴人らの代表者の資格証明に関する書面を提出しなかったことに正当な理由があるとは認められず,本件決定が,信義則に反するなど裁量権の濫用又は逸脱として違法であるとは認められない。
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-03-08
事件番号:平成27(行ケ)10121
事件種別:審決取消請求
原告:公立大学法人秋田県立大学
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長),大寄麻代,岡田慎吾
発明の名称等:「低カリウム含有量葉菜およびその栽培方法」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:食品
分類:野菜(低カリウム含有量)
ポイント: 本願出願日当時,ホウレンソウと同様に,リーフレタス,サンチュ及びコマツナは,植物工場などにおいて水耕栽培することは技術常識であったことに照らすと,当業者であれば,引用発明に係る栽培方法を,カリウム濃度を減らした葉菜類を生産するという同一の課題を解決するために,ホウレンソウ以外の水耕栽培する葉菜類であるリーフレタス,サンチュ又はコマツナの栽培に適用することを,容易に想到することができたものと認められる。  引用発明に係る栽培方法を,リーフレタス,サンチュ又はコマツナの栽培に適用するに際し,KNO3の代わりに同濃度のNaNO3を加える期間を「7から10日間」とすることは,当業者が容易に想到することができたものというべきである。
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-10-19
事件番号:平成26(行ケ)10155
事件種別:審決取消請求
原告:キッコーマン株式会社(無効審判請求人)
被告:花王株式会社(特許権者)
判決:請求認容
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長),片岡早苗,古庄研
発明の名称等:「減塩醤油類」
争点:サポート要件(違反なし→あり)
参照条文:36条6項1号
分野:食品
分類:組成物(減塩醤油)
ポイント: 本件発明1のうち,少なくとも食塩が7w/w%である減塩醤油について,本件出願日当時の技術常識及び本件明細書の記載から,本件発明1の課題が解決できることを当業者は認識することはできず,サポート要件を満たしているとはいえない。
89
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裁判所:知財高裁
判決日:2016-12-06
事件番号:平成27(行ケ)10150
事件種別:審決取消請求
原告:ジェイケースクラロースインコーポレイテッド(無効審判請求人)
被告:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社(特許権者)
判決:請求棄却
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長),大西勝滋,寺田利彦
発明の名称等:「炭酸飲料」
争点:明確性要件(違反なし→なし)
参照条文:36条6項2号
分野:食品
分類:組成物(炭酸飲料)
ポイント: 当業者は,請求項1に記載された「砂糖甘味換算」が,甘味成分の量(重量濃度)を,砂糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味の相対比に基づいて,砂糖の相当量に換算することを意味し,その際の砂糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味相対比は,公知の砂糖甘味換算表等から求めることができること,及び,請求項1に記載された「砂糖甘味換算量」が,「砂糖甘味換算」により,砂糖の量に換算した甘味成分の量(重量濃度)を意味することを,それぞれ理解できるといえる。したがって,本件訂正明細書の記載を参酌すれば,当業者は,特許請求の範囲に記載された「砂糖甘味換算」及び「砂糖甘味換算量」という文言の意味を理解することができるから,発明特定事項にこれらの用語を含むことを理由に,本件訂正発明の概念が不明確であるということはできない。
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裁判所:東京地裁
判決日:2016-05-26
事件番号:平成27(ワ)21613
事件種別:損害賠償等請求
原告:株式会社フィードアップ(特許権者)
被告:株式会社サイゼリヤ
判決:請求棄却
裁判部:民事第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長),藤原典子,萩原孝基
発明の名称等:「麺線製造法及び麺線」
争点:技術的範囲の属否(属しない)<文言侵害不成立>
参照条文:70条
分野:食品
分類:方法(麺線製造法)
ポイント: 本件発明における麺線の製造方法は,その特許請求の範囲の記載のうち構成要件B及びDによれば,乾麺線であるβ麺線の表面を短時間加熱したことによってα化した後「水に浸漬」する工程が必要であることが明らかである。上記工程が被告製品の製造工程に含まれるか否かを判断するに,証拠(乙1~3)及び弁論の全趣旨によれば,●(省略)● そうすると,上記製造工程において乾麺線の加熱後に「水に浸漬」する工程がないから,構成要件B及びDを充足しない。