書籍 「2016 知財判例年鑑」
WEBショップにて販売中!
2011年2012年2013年2014年2016年
1
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-25
事件番号:平成25(ネ)10100 <原審;東京地方裁判所平成24(ワ)32450>
事件種別:特許を受ける権利確認等請求控訴
原告:地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター <控訴人>
被告:国立大学法人東京工業大学 <被控訴人>
判決:一部控訴認容
裁判部:第3部
裁判官:石井忠雄(裁判長) 西理香 田中正哉
発明の名称等:「生体吸収性の傾斜した多孔質複合体及びそれを用いた人工骨,並びにそれらの製造方法」
争点:特許を受ける権利(あり)
参照条文:29条1項柱書
分野:化学
分類:材料(多孔質複合体)
ポイント:本件基礎出願発明8及び9の特徴的部分であるビニル基導入・放射線照射は,遅くとも平成23年2月初めころまでには,本件共同研究の成果として,これを当業者が実施できる程度にまで具体的・客観的なものとして構成され完成に至ったものと認められるところ,Aは,ビニル基導入・放射線照射の着想をしただけでなく,これを当業者が実施できる程度にまで具体的・客観的なものとして構成するための創作活動の過程において,CやSと共に,一体的・連続的な協力関係の下に,共同研究者として,重要な貢献をしたものということができる。したがって,Aは,本件基礎出願発明8及び9の共同発明者であると認めるのが相当である。
2
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-03-18
事件番号:平成24(ワ)25935
事件種別:補償金請求
原告:A/B
被告:日本ゼオン株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長) 鈴木千帆 本井修平
発明の名称等:「ドライエッチング方法」,「ドライエッチング用ガス組成物およびドライエッチング方法」,「プラズマ反応用ガス及びその製造方法」
争点:共同発明者該当性(非該当)
参照条文:29条1項柱書
分野:化学
分類:方法(ドライエッチング)
ポイント:発明者に当たるというためには,発明の特徴的部分の完成に創作的に寄与したことが必要である。しかし,原告らが本件発明1ないし3の共同発明者であることの根拠として主張する,本件発明1ないし3に対する原告らの関与は,①シクロペンタンをフッ素化することを考えたこと,②フッ素化技術の習得に当たりCとの関係を築いたこと,③化学技術研究所に派遣する者を原告Aに決めたこと,④CからEIAJのプロジェクトを紹介され,サンプルを選択し,提供したこと,⑤同プロジェクトの評価結果を受けて,特許化することを検討し,関係者間での意見調整,先行技術の調査,出願のための文案の作成等をしたことなどであり,これらすべてを原告ら二人で行ったと認められない。
3
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-04-28
事件番号:平成26(ネ)10045 <原審;東京地方裁判所平成24(ワ)11800>
事件種別:特許権侵害差止請求控訴
原告:東レ・デュポン株式会社 <控訴人>
被告:宇部興産株式会社 <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第4部
裁判官:富田善範(裁判長) 大鷹一郎 田中芳樹
発明の名称等:「ポリイミドフィルムおよびそれを基材とした銅張積層体」
争点:新規性(なし)
参照条文:29条1項2号 104条の3
分野:化学
分類:構造(ポリイミドフィルム)
ポイント:被控訴人は,平成14年4月5日から平成16年3月12日までの間に,複数の銅張積層体メーカーに対し,原判決別表先行製品一覧表の「本件発明1との一致の有無」欄に○印と記載された先行発明の技術的範囲に属する28本の先行製品のうち,「出荷年月日及び出荷先(本件発明1と一致するものに限る)」欄に出荷年月日等の記載のある,αMDが10.1~14.4ppm/℃であり,αTDが3.5~7.0ppm/℃である19本のポリイミドフィルムの全部又は一部を譲渡した。そして,被控訴人や上記銅張積層体メーカーが当該譲渡について相互に守秘義務を負っていたことを認めるに足りる証拠はない。そうすると,被告は,本件優先日(平成16年3月30日)前に,先行発明のうちαTDが3.5ppm/℃以上のものを公然と実施したものということができる。
4
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-12-09
事件番号:平成26(行ケ)10257
事件種別:審決取消請求
原告:X
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長) 大寄麻代 岡田慎吾
発明の名称等:「マイクロ波照射による衣類のしわ除去」
争点:新規性(なし→なし)
参照条文:29条1項3号
分野:化学
分類:方法(衣類のしわ除去)
ポイント:技術常識に照らせば,当業者であれば,引用文献1の記載から,その自明な事項を読み取ることができるのであり,引用文献1においては,乾燥物として合成繊維よりも耐熱性が高いと認められる綿100%のワイシャツもその対象されていることは,当然に想定されていたと判断されるから,引用文献1には,乾燥物として綿100%のワイシャツが記載されているに等しいものと認められる。以上のとおり,本願発明に該当する綿100%のワイシャツは,引用文献1に記載されており,引用発明に含まれているものといえるから,本願発明は新規性を欠くものと認められる。
5
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-10-08
事件番号:平成26(行ケ)10255
事件種別:審決取消請求
原告:極東鋼弦コンクリート振興株式会社
被告:Y
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 田中芳樹 鈴木わかな
発明の名称等:「プレストレスト構造物」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:構造(プレストレスト構造物)
ポイント:当業者は,本件優先日当時,引用発明1につき,シースの接合部分の水漏れや外部からの染み込みを防止するという課題の解決のために,①前記(ア)のとおり,引用発明1と本件周知技術とは,同じく接続部分の止水性の確保を課題とし,接続対象物と接続部材との間に吸水膨張性を有する物質を含むものを配置して同物質が吸水膨張により接続対象物と接続部材との隙間をふさぐようにするという課題解決手段の点において共通性があること,②さらに,前記(イ)のとおり,引用発明1においては吸水膨張性を有する物質がほぼ常時コンクリートに接することになるところ,本件周知技術において用いられるベルオアシス及びランシールにつき,ベルオアシスは,土木・建築材料を含む幅広い用途に実用化され,コンクリート養生シートにも使用されており,ランシールも,土木分野を含む広範な分野において活用され,コンクリート養成マットにも使用されていることに着目して,本件周知技術の採用を容易に想到することができたというべきである。
6
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-12-10
事件番号:平成27(行ケ)10042
事件種別:審決取消請求
原告:シンセス(ユー.エス.エイ.)
被告:特許庁長官
判決:請求認容
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 田中芳樹 鈴木わかな
発明の名称等:「可撓性骨複合材」
争点:進歩性(なし→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:構造(可撓性骨複合材)
ポイント:引用例には,個々のカルシウム化合物粒子が基材シートから露出する程度につき,大きい方が好ましいことが示されているということはできない。また,本願優先日当時においてそのような技術常識が存在していたことを示す証拠もない。したがって,本願優先日当時において,引用例に接した当業者が,個々のカルシウム化合物粒子が基材シートから露出する程度をより大きくしようという動機付けがあるということはできない。
7
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-06-09
事件番号:平成27(行ケ)10225
事件種別:審決取消請求
原告:日鉄住金ロールズ株式会社
被告:株式会社フジコー
判決:請求認容
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 中村恭 中武由紀
発明の名称等:「熱間圧延用複合ロール及びその製造方法」
争点:進歩性(あり→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:構造(熱間圧延用複合ロール)
ポイント:当業者が,熱疲労亀裂を原因とするロール表面の損傷の防止をするという上記技術常識の観点から,甲1発明の熱間圧延複合ロールを,周知技術に従い棒鋼又は線材の粗圧延のためのものとすることは,格別困難ではない。
8
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-26
事件番号:平成26(行ケ)10132
事件種別:審決取消請求
原告:X
被告:昭和化成工業株式会社/株式会社カネカ
判決:請求認容
裁判部:第4部
裁判官:富田善範(裁判長) 大鷹一郎 田中芳樹
発明の名称等:「硬質医療用塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた硬質医療用部品」
争点:進歩性(あり→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:材料(硬質医療用塩化ビニル系樹脂組成物)
ポイント:本件発明1に係る硬質医療用部品について,必ず放射線滅菌されなければならないものではなく,手間と時間の問題があるとはいえ,上記のとおり,高圧蒸気滅菌という安全で変色の問題が特にない滅菌法が従来から行われている方法によることも可能であることからすると,上記の問題点は甲1’発明を硬質医療用に用いることについて阻害事由になるとはいえない。そうすると,甲1’発明を硬質医療用に用いることは,当業者にとって格別の創意工夫を要することであるということはできない。
9
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-09-24
事件番号:平成26(行ケ)10026
事件種別:審決取消請求
原告:新日鐵住金ステンレス株式会社
被告:日新製鋼株式会社
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 田中芳樹 柵木澄子
発明の名称等:「燃料電池用石油系燃料改質器用フェライト系ステンレス鋼」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:材料(石油系燃料改質器用フェライト系ステンレス鋼)
ポイント:引用例1には,引用発明1-1のフェライト系ステンレス鋼を燃料電池用石油系燃料改質器の部材として使用することについての記載も示唆もない上,当業者であっても,引用発明1-1に係るフェライト系ステンレス鋼が,少なくとも燃料電池用石油系燃料改質器に要求される高温水蒸気耐酸化性及び耐熱疲労特性を備えるものと予測することは困難であるから,引用発明1-1のフェライト系ステンレス鋼を燃料電池用石油系燃料改質器に用いることについての動機付けがないというべきである。
10
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-05-13
事件番号:平成26(行ケ)10108
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社ダイセル
被告:イーストマン ケミカル カンパニー
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長) 大寄麻代 平田晃史
発明の名称等:「繊維ベール及び弾性繊維の包装方法」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:材料(繊維ベール)
ポイント:甲7公報記載の考案(甲7考案)は,下図(甲7の図1)のとおり,密封袋本体1の辺縁bに二つの逆止弁3,3を接着装設し,辺縁bに同逆止弁3,3の先端突出部を包被する包被用袋体4を連設し,袋本体を押圧して,袋本体内の空気を逆止弁3を経て包被用袋体4の空気放出口11から外部に放出して,袋内の可圧縮物を圧縮密封するようにした圧縮密封袋であり(甲7),二つの逆止弁3が設けられているものの,これらの逆止弁は,パッケージ(密封袋本体)の壁に設けられているものではなく,袋本体1の内側の内側辺縁bに設けられているものであるし,同部分から内部の空気を吸引除去するものでもない。なお,甲7考案の逆止弁は,いずれも同一の空気放出口11に連通しているものであるから,排気系統は一つであり,甲7公報は,真空逆止弁を含む真空系統が,複数ある構成を開示するものでもない。
11
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-02-25
事件番号:平成26(行ケ)10027
事件種別:審決取消請求
原告:保土谷化学工業株式会社
被告:出光興産株式会社
判決:請求認容
裁判部:第3部
裁判官:石井忠雄(裁判長) 西理香 神谷厚毅
発明の名称等:「有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料,それを利用した有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子用材料」
争点:進歩性(あり→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:材料(有機EL素子用発光)
ポイント:本件発明1の一応の相違点に係る構成は,その文言上,甲1’発明1の「置換もしくは無置換の炭素数5~60のアリール基」に包含されるものを含むと認められる。本件特許の優先日当時,有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料としてアントラセン誘導体が広く用いられており,発光効率,輝度,寿命,耐熱性,薄膜形成性等を改良する目的で,用いるべき置換基の検討がなされていたことが認められるから,当業者において,甲1’発明1の置換基の選択肢の中から,本件発明1に係る構成を選択することも十分に可能であったものというべきであり,同構成が甲1’発明1の置換基として選択され得ないようなものとは認められない。そうすると,本件発明1の一応の相違点に係る構成は,甲1’発明1の「置換もしくは無置換の炭素数5~60のアリール基」に包含されるものを含むものであり,上記一応の相違点は,実質的な相違点ではないものというべきである。
12
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-01-28
事件番号:平成26(行ケ)10104
事件種別:審決取消請求
原告:ハネウエル・インターナショナル・インコーポレーテッド
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第3部
裁判官:石井忠雄(裁判長) 田中正哉 神谷厚毅
発明の名称等:「フッ素置換オレフィンを含有する組成物」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:組成物(ヒートポンプ熱伝導用)
ポイント:当業者において,本件発明1に係る冷媒化合物と潤滑剤の組合せがある程度の化学的安定性を有することは,十分に予想することができることである。したがって,本件明細書にHFO-1234zeとPAGとを組み合わせた場合の化学的安定性についてのシールドチューブ試験の結果が記載され,HFO-1234zeとPOEとの組合せについても,かかる試験結果と同程度の化学的安定性があると考えられるとしても,そのことは当業者が予想することができたものであり,また,その化学的安定性の程度が予想を超える程に格別顕著なものであることを認めるに足りる証拠もない。
13
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-10
事件番号:平成26(行ケ)10082
事件種別:審決取消請求
原告:ベーアーエスエフ シュバイツ アーゲー
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 新谷貴昭 鈴木わかな
発明の名称等:「ミクロ顔料混合物」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:組成物(顔料)
ポイント:審決は,補正前発明と引用発明の相違点として「二酸化チタンが,本件発明においては「疎水性表面を付与するために,金属セッケンで被覆された油分散化二酸化チタン」と特定されているのに対し,引用発明においてはそのような特定がなされていない点」を認定したが,実質的には,二酸化チタンの金属セッケンによる被覆が,補正前発明では「疎水性表面を付与するため」のものであるのに対して,引用発明では目的が不明である点ということになる。しかしながら,被覆の目的いかんによって発明の構成が変化するわけではないから,補正前発明と引用発明に構成上の実質的な相違点はないというべきである。
14
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-26
事件番号:平成25(行ケ)10140
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社半導体エネルギー研究所
被告:ザ,トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ/ザ ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:富田善範(裁判長) 大鷹一郎 田中芳樹
発明の名称等:「有機LED用燐光性ドーパントとしての式L2MXの錯体」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:組成物(有機発光層用組成物)
ポイント:仮に,甲4記載のL2MXの式で表される錯体16-21が示す「fluorescence」は燐光であると当業者が理解したとしても,甲1発明のL3Mの式で表される Ir(ppy)3に代えて,甲4記載のL2MXの式で表される錯体16-21を用いることは,当業者において,容易に想到することができたということはできない。
15
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-04-15
事件番号:平成26(行ケ)10192
事件種別:審決取消請求
原告:コニカミノルタ 株式会社
被告:Y
判決:請求棄却
裁判部:第3部
裁判官:石井忠雄(裁判長) 西理香 田中正哉
発明の名称等:「シンチレータパネル」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(シンチレータパネル)
ポイント:甲1発明,すなわち,放射線吸収性蛍光体層22bが,CsI:Tlの針状結晶膜である蒸着膜からなり,支持体21bと放射線吸収性蛍光体層22bとの間に,拡散反射層を設け,拡散反射層は,二酸化チタンおよび結合剤を溶剤中に混合分散して塗布液を調製した後,これを支持体上に塗布乾燥することにより形成する発明において,上記拡散反射層上にCsI:Tlの柱状結晶を,基板温度150℃~250℃の蒸着によって成長させることは,当業者にとって格別の創意工夫を要するものとは認められない。
16
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-02-10
事件番号:平成26(行ケ)10128
事件種別:審決取消請求
原告:デジタルオプティクス コーポレーション
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 新谷貴昭 鈴木わかな
発明の名称等:「フレキシブル基盤上のイメージ撮像デバイスの実装におけるシステムと方法」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(デジタルカメラモジュール)
ポイント:引用発明はデジタルカメラ用の実装構造であるから,カメラモジュールを設置する場合の上記周知技術を適用し,相違点2に係る構成に至ることは,当業者であれば,容易に想到することができる。上記乙2~4において,装置の筐体内へのカメラモジュールの設置に当たって,パッケージの大きさやカメラモジュールの納まりといった場所的制約からフレキシブルプリント配線板を曲げて用いていることが窺われるが,収納上の必要性は,デジタルカメラの実装において常に生じる一般的な課題であって,フレキシブルプリント配線板を曲げて使用するに当たって,かかる収納上の必要性という一般的な課題以上の特別な課題や動機付けが必要とは解されない。
17
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-04-28
事件番号:平成26(行ケ)10205
事件種別:審決取消請求
原告:日本特殊陶業株式会社
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 鈴木わかな 中武由紀
発明の名称等:「温度センサ」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(温度センサ)
ポイント:当業者は,引用発明1に接すれば,これらの課題を解決するために電極線の材料を選定するに当たり,単に耐熱性が高い材料では足りず,電極線自体の強度を高めて断線を抑制し,かつ,溶接強度を低下させない材料を探すものと認められ,その要請を満たすものとして,引用発明2に係るストロンチウムを含有する白金材料を選択する動機は,十分に存在したものといえる。
18
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-11-25
事件番号:平成26(行ケ)10228
事件種別:審決取消請求
原告:イーオン-トーフ・テクノロジーズ・ゲー・エム・ベー・ハー
被告:アルバック・ファイ株式会社
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長) 大寄麻代 岡田慎吾
発明の名称等:質量分析器およびこの質量分析器のための液体金属イオン源」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(質量分析器)
ポイント:甲2の上記記載に接した当業者であれば,Auイオンに比べてBiイオンの方がクラスターイオンの含まれる割合が高いことから,Biのクラスターイオンビームが二次イオン生成量の点で優れていることを理解するのであって,甲1に列挙された一次イオンビームの中から,Biのクラスターイオンを選択することは容易になし得ることであるといえる。
19
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-09-16
事件番号:平成26(行ケ)10157
事件種別:審決取消請求
原告:日亜化学工業株式会社
被告:Y
判決:請求棄却
裁判部:第3部
裁判官:大鷹一郎(裁判長) 田中正哉 神谷厚毅
発明の名称等:「樹脂成形体及び表面実装型発光装置並びにそれらの製造方法」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(表面実装型発光装置)
ポイント:当業者において,甲3-1発明において,これに組み込まれる半導体発光素子の発熱量に応じたリードフレームによる放熱効率の向上のために,リードフレームの半導体発光素子が設けられている領域の主面側と反対の裏面側を露出させ,その裏面側まで樹脂部材が充填された第1の凹部の範囲が及ばない構成を採用することは,半導体発光装置の設計上適宜行うことができる設計的事項であるというべきであるから,相違点81に係る訂正発明1の構成を容易に想到することができたものと認められる。
20
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-26
事件番号:平成25(行ケ)10139
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社半導体エネルギー研究所
被告:ザ,トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ/ザ ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:富田善範(裁判長) 大鷹一郎 田中芳樹
発明の名称等:「有機LED用燐光性ドーパントとしての式L2MXの錯体」
争点:進歩性(あり→あり)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(有機発光デバイス)
ポイント:仮に,甲4記載のL2MXの式で表される錯体16-21が示す「fluorescence」は燐光であると当業者が理解したとしても,甲1発明のL3Mの式で表される Ir(ppy)3に代えて,甲4記載のL2MXの式で表される錯体16-21を用いることは,当業者において,容易に想到することができたということはできない。甲2の記載から想定されるイリジウム二核錯体は,本件発明のL2MXの式で表される有機金属化合物に包含されるものではない。それゆえ,甲2には,イリジウム二核錯体が実際に記載されているに等しいといえるかについて検討するまでもなく,甲2には本件発明のL2MXの式で表される有機金属化合物が記載されているということはできない。
21
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-05-14
事件番号:平成26(行ケ)10203
事件種別:審決取消請求
原告:ザ,トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 中村恭 中武由紀
発明の名称等:「ハイブリッド混合プラナーヘテロ接合を用いた高効率有機光電池」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:装置(有機発光電池)
ポイント:混合層である第1光活性層(「Re-DIAN:C60」)の厚さの上限値を,光吸収率の向上と励起子の再結合回避の観点から,励起子の拡散長に相当する特徴的電荷輸送長を指標として決することは,当業者が適宜に行う最適化条件の決定にすぎないといえる。
22
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-06-25
事件番号:平成26(行ケ)10186
事件種別:審決取消請求
原告:インヴィスタ テクノロジーズ エスアエルエル
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 片岡早苗 新谷貴昭
発明の名称等:「エラストマー糸を含有する弾性生地の丸編」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:方法(丸編弾性シングルジャージー生地製造)
ポイント:本願発明における「44~156デシテックス」という糸のサイズと,引用発明における「17~33デシテックス」という糸のサイズとは,共に,市場で普及している20~400デシテックスという範囲内にあり,両発明は,一般的な糸のサイズを利用しているにすぎないから,この範囲内にある糸のサイズの変更には,格別,技術的な意義はなく,当業者にとって,予定した収縮率等に応じて適宜設定できるものといえる。したがって,デシテックスの範囲を本願発明の範囲の数値まですることは,当業者が容易に想到できる事項である。引用発明において想定されている収縮率は,本願出願時の技術水準上,限界値であったわけではないから,引用発明のデシテックスを大きくするのと同時に,延伸率を大きくすること自体に阻害要因はないし,その場合における「2.5倍以下」という数値設定も,当業者が容易になし得る程度の設計事項といえる。
23
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-09-28
事件番号:平成26(行ケ)10148
事件種別:審決取消請求
原告:日亜化学工業株式会社
被告:三洋電機株式会社
判決:請求認容
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長) 田中正哉 神谷厚毅
発明の名称等:「窒化物系半導体素子の製造方法」
争点:進歩性(あり→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:方法(窒化物系半導体素子の製造)
ポイント:甲11発明において,相違点①に係る構成を採用してキャリアをトラップする要因となる研磨によって生じた転位を含む加工変質層を全て除去して,転位密度をGaN基板に当初から存在していた値にまで戻すことができれば,GaN基板へドーピングするSi等の不純物濃度を3×1018/cm3程度にして,コンタクト抵抗が少なくとも0.05(=5×10-2)Ω・cm2以下となるようにすることは当業者であれば容易になし得たことと認められる。
24
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-12-24
事件番号:平成27(行ケ)10116
事件種別:審決取消請求
原告:日亜化学工業株式会社
被告:三洋電機株式会社
判決:請求認容
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 中村恭 中武由紀
発明の名称等:「窒化物系半導体素子の製造方法」
争点:進歩性(あり→なし)
参照条文:29条2項
分野:化学
分類:方法(窒化物系半導体素子の製造)
ポイント:甲4発明における研磨により生じた「表面歪み」の除去によるコンタクト抵抗の低減を,技術常識や周知の技術事項に従って,機械加工により生じた転位の除去によるコンタクト抵抗の低減と理解し,更なるコンタクト抵抗の低減を目的として,このコンタクト抵抗上昇の原因となる加工変質層を除去するとの観点から上記のエッチング処理を行うことは,当業者にとって格別の創意を要する改良の試みであるとはいえない。そして,本件優先日当時のGaN基板の転位密度は,104cm-2以下~2×105cm-2程度であったのであるから,甲4発明において,加工変質層を除去すれば,除去後の基板の転位密度は完全結晶と同程度となり,1×109cm-2以下となることは自明である。そうすると,甲4発明において,技術常識や周知の事項に基づいて相違点9に係る本件発明1の構成を採用することは,当業者が容易になし得たと認められる。
25
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-11-30
事件番号:平成26(ワ)10848
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:日東紡績株式会社
被告:ユニチカ株式会社/株式会社ライフアートプランテック
判決:請求棄却
裁判部:民事 第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長) 笹本哲朗 天野研司
発明の名称等:「透明不燃性シート及びその製造方法」
争点:進歩性(なし)
参照条文:29条2項 104条の3
分野:化学
分類:構造(透明不燃性シート)
ポイント:乙あ1発明において,防煙垂壁を不燃性のものにするという周知の課題を達成するために,これを構成するシートについて,可燃物である樹脂の種類や量を調整して,「輻射電気ヒーターから透明不燃性シートの表面に50kW/㎡の輻射熱を照射する発熱性試験において,加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/㎡以下であり,且つ加熱開始後20分間,最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/㎡を超えない」不燃性のものとすることは,本件特許1の出願当時,当業者が容易に想到し得たものというべきである。
26
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-12-17
事件番号:平成26(ワ)29478
事件種別:特許権侵害に基づく損害賠償請求
原告:株式会社タムラ製作所
被告:千住金属工業株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 中嶋邦人 清野正彦
発明の名称等:「ソルダペースト組成物及びリフローはんだ付方法」
争点:進歩性(なし)
参照条文:29条2項 104条の3
分野:化学
分類:組成物(ソルダペースト)
ポイント:無鉛系はんだ粉末を含有するソルダペーストにはリフロー時の高温におけるはんだの酸化等の課題があったところ,これを改善する手段として,分子量の大きなフェノール系化合物を用いることが有利であることが知られていたのであるから,乙1発明に接した当業者が乙1発明のソルダペーストに無鉛系はんだ粉末を用いた場合には,上記課題を解決するために分子量の大きなヒンダードフェノール系化合物を酸化防止剤として用いることは容易であったと認められる。しかも,分子量が500以上の酸化防止剤が複数知られていたことに照らすと,分子量の下限値を500とすることについても,格別困難であったとは認められない。
27
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-02-10
事件番号:平成24(ワ)35757
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:株式会社呉竹/保土谷化学工業株式会社
被告:株式会社サクラクレパス
判決:一部請求認容
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 清野正彦 髙橋彩
発明の名称等:「水消去性書画用墨汁組成物」
争点:進歩性(あり)
参照条文:29条2項 104条の3
分野:化学
分類:組成物(墨汁)
ポイント:乙1文献には水溶性インキでありながら疎水性を呈する合成樹脂面にも完全に彩色できるという課題が記載されており,このような課題を解決した乙1発明に係る水溶性インキを,疎水性のない半紙に筆記するために用いられる墨汁組成物にあえて転用する動機付けは見いだせない。そして,本件発明1及び2は,上記の構成を採用することにより,乙2文献等に記載のない半紙に書いた後の黒色を維持させるという顕著な作用効果をもたらされたものと解される。
28
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-09-28
事件番号:平成26(ネ)10108 <原審;東京地方裁判所平成23(ワ)26676>
事件種別:特許権侵害行為差止等請求控訴
原告:三洋電機株式会社 <控訴人>
被告:日亜化学工業株式会社 <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長) 田中正哉 神谷厚毅
発明の名称等:「窒化物系半導体素子の製造方法」
争点:進歩性(なし)
参照条文:29条2項 104条の3
分野:化学
分類:方法(窒化物系半導体素子の製造)
ポイント:乙9発明2において,相違点1に係る構成を採用してキャリアをトラップする要因となる研磨によって生じた転位を含む加工変質層を全て除去し,転位密度をGaN基板に当初から存在していた値にまで戻した上で,GaN基板へドーピングするSi等の不純物濃度を3×1018/cm3程度にすることにより,コンタクト抵抗が少なくとも0.05(=5×10-2)Ω・cm2以下となるようにすることは当業者であれば容易になし得たことと認められる。
29
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-04-28
事件番号:平成25(行ケ)10250
事件種別:審決取消請求
原告:宇部興産株式会社
被告:東レ・デュポン株式会社
判決:請求認容
裁判部:第4部
裁判官:富田善範(裁判長) 大鷹一郎 田中芳樹
発明の名称等:「ポリイミドフィルムおよびそれを基材とした銅張積層体」
争点:実施可能要件(違反なし→あり)
参照条文:36条4項1号
分野:化学
分類:材料(ポリイミドフィルム)
ポイント:2成分系ポリイミドフィルムのうち,少なくとも4,4’-ODA/BPDAについては,当業者が,本件明細書及び本件優先日当時の技術常識に基づいて製造することができるということはできないから,本件発明9のポリイミドフィルムは,実施が可能ではないものを含むことになる。そうすると,本件発明1~8,10,11についても,実施が可能ではないものを含むこととなるから,本件発明について,当業者が実施可能な程度に明確かつ十分に発明の詳細な説明が記載されているということはできない。
30
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-09-03
事件番号:平成26(行ケ)10201
事件種別:審決取消請求
原告:JFEスチール株式会社
被告:新日鐵住金株式会社
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 田中芳樹 柵木澄子
発明の名称等:「熱間プレス用めっき鋼板」
争点:サポート要件(違反なし→なし)
参照条文:36条6項1号
分野:化学
分類:構造(熱間プレス用めっき鋼板)
ポイント:本件訂正明細書の発明の詳細な説明には,本件訂正発明において,亜鉛系めっき鋼板の表面に酸化皮膜が形成されることにより,鋼板の酸化が防止され,成形性,塗膜密着性,耐食性に優れた熱間プレス鋼板となることが記載されており,また,亜鉛系めっき鋼板の表面に酸化皮膜が形成されることによって,皮膜の下のめっき層の亜鉛の蒸発が防止されることも,当業者であれば理解できる事項である。したがって,本件訂正明細書には,鋼板の亜鉛系めっきの表層に酸化皮膜が形成されることによって,本件訂正発明の上記課題が解決されることが記載されているから,本件訂正発明の特許請求の範囲は,本件訂正明細書の記載により,当業者が本件訂正発明の上記課題を解決できると認識できる範囲のものということができ,サポート要件を充足するというべきである。
31
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-10-08
事件番号:平成26(行ケ)10176
事件種別:審決取消請求
原告:ザ トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ/ザ ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア
被告:株式会社半導体エネルギー研究所
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 田中芳樹 柵木澄子
発明の名称等:「高透明性非金属カソード」
争点:サポート要件(違反あり→あり)
参照条文:36条6項1号
分野:化学
分類:装置(高透明非金属カソード)
ポイント:本件発明には,燐光材料の構造に関わらず,「電荷キャリアーホスト材料の非放射性励起子三重項状態のエネルギーが前記燐光材料の三重項分子励起状態に移行することができ,且つ前記燐光材料の前記三重項分子励起状態から燐光放射線を室温において発光する有機発光デバイス」は,全て包含される。しかし,本件明細書の発明の詳細な説明の記載及び本件優先権主張日当時の技術常識に照らして,当業者が本件発明の課題を解決できると認識できるのは,【化43】,【化44】の構造を有するPtOEP,一般式【化45】においてM1=Ptである燐光化合物,【化46】又は【化47】の構造を有する燐光化合物をドーパントとして用いた有機発光デバイスであると認められる。したがって,燐光材料の構造が特定されていない本件発明は,本件明細書の発明の詳細な説明の記載及び本件優先権主張日当時の技術常識に照らして,当業者が本件発明の課題を解決できると認識できる範囲を超えており,サポート要件に適合しないというほかない。
32
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-11
事件番号:平成26(行ケ)10187
事件種別:審決取消請求
原告:東芝ライフスタイル株式会社
被告:パナソニック株式会社
判決:請求棄却
裁判部:第3部
裁判官:石井忠雄(裁判長) 西理香 神谷厚毅
発明の名称等:「帯電微粒子水による不活性化方法及び不活性化装置」
争点:サポート要件(違反なし→なし)
参照条文:36条6項1号
分野:化学
分類:方法(ウイルス等の不活性化)
ポイント:本件特許明細書の発明の詳細な説明には,長寿命化については,帯電微粒子水の粒子径が3~10nm及び30~50nmの範囲についても定性的にではあるがその作用が存在することが記載されており,また,粒子径が3~50nmの範囲について不活性化の作用効果が存在することが記載されているものと認められるから,本件訂正特許発明は,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるということができる。
33
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-09-28
事件番号:平成26(行ケ)10147
事件種別:審決取消請求
原告:日亜化学工業株式会社
被告:三洋電機株式会社
判決:請求棄却
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長) 田中正哉 神谷厚毅
発明の名称等:「窒化物系半導体素子の製造方法」
争点:サポート要件(違反なし→なし)
参照条文:36条6項1号
分野:化学
分類:方法(窒化物系半導体素子の製造)
ポイント:上記記載に接した当業者は,本件特許発明の技術上の意義は,上記課題を解決するために,機械研磨によって発生した転位を除去することにあり,機械研磨により発生した第1半導体層の裏面近傍の転位を除去する手段として新たな転位を発生する手段が含まれないものと認識するものということができる。以上によれば,本件特許発明1は,発明の詳細な説明に記載されたものであり,かつ,発明の詳細な説明の記載により当業者が発明の課題を解決できると認識できるものであるから,本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載はサポート要件を満たしているものと認められる。
34
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-12-25
事件番号:平成25(ワ)3357
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:JX日鉱日石金属株式会社
被告:田中貴金属工業株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第40部
裁判官:東海林保(裁判長) 今井弘晃 勝又来未子
発明の名称等:「非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット」
争点:サポート要件(違反あり)
参照条文:36条6項1号 104条の3
分野:化学
分類:材料(スパッタリングターゲット)
ポイント:原告は,本件明細書等には「相(A)」の中に「球形の合金相(B)」を含有させることにより,Crの濃度の高い領域と低い領域を作り出すことで,均一な組織と比べて,漏洩磁束を高めることが記載されていると主張するところ,なるほど本件明細書等の段落【0015】ないし【0017】には,漏洩磁束を高めるメカニズムに関する記載はあるものの,本件訂正に係るCr,Coの濃度分布に濃淡があるだけで,スパッタリングターゲットにおいて漏洩磁束を高める理由として記載された,「格子歪み」(段落【0016】)を生じさせ,「磁壁の移動を妨げ・・・母相である強磁性相内の磁気的相互作用を遮断する」(段落【0017】)ことができるものとは認め難く,本件明細書等の実施例においては,一定の態様でしか効果を奏することが示されていないから,本件各訂正発明においても,依然としてサポート要件違反の無効理由が存するというべきである。
35
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-08-25
事件番号:平成26(ワ)7548
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:株式会社メンテック
被告:株式会社南日本モラブ
判決:請求認容
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 清野正彦 藤原典子
発明の名称等:「汚染防止剤組成物」
争点:サポート要件(違反なし)
参照条文:36条6項1号 104条の3
分野:化学
分類:組成物(汚染防止剤)
ポイント:発明の詳細な説明の記載からは,非シリコーン系オイルを乳化させる乳化剤として,有機物の塩である脂肪酸とアミン化合物との中和物を選択した場合,有機物の塩ではない乳化剤を使用するのと比較して色抜け抑制効果が生じることを理解することができる。本件明細書には,有機物の塩ではないノニオン界面活性剤を乳化剤として使用した場合よりも,脂肪酸とアミン化合物との中和物の方が色抜け抑制効果が優れている旨の実験結果が記載されており,これらによれば,当業者は,「非シリコーン系オイルを乳化させる乳化剤」であって「脂肪酸とアミン化合物との中和物」という共通の性質を有すれば色抜け抑制効果があることを理解これらの記載からは,非シリコーン系オイルを乳化させる乳化剤として,有機物の塩である脂肪酸とアミン化合物との中和物を選択した場合,有機物の塩ではない乳化剤を使用するのと比較して色抜け抑制効果が生じることを理解することができる。本件明細書には,有機物の塩ではないノニオン界面活性剤を乳化剤として使用した場合よりも,脂肪酸とアミン化合物との中和物の方が色抜け抑制効果が優れている旨の実験結果が記載されており,これらによれば,当業者は,「非シリコーン系オイルを乳化させる乳化剤」であって「脂肪酸とアミン化合物との中和物」という共通の性質を有すれば色抜け抑制効果があることを理解できると認められる。
36
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-07-16
事件番号:平成26(行ケ)10047
事件種別:審決取消請求
原告:シーピーエス・テクノロジーズ・コーポレーション
被告:電気化学工業株式会社
判決:一部請求認容
裁判部:第4部
裁判官:富田善範(裁判長) 田中芳樹 柵木澄子
発明の名称等:「炭化珪素質複合体及びその製造方法とそれを用いた放熱部品」
争点:明確性要件(違反なし→あり)
参照条文:36条6項2号
分野:化学
分類:構造(炭化珪素質複合体)
ポイント:特許請求の範囲(請求項1)にも,また,本件明細書にも,「穴間方向(X方向)」について,板状複合体のネジ穴または外形との関係でどのような方向をいうものかが明確に記載されていないことから,「穴間方向」であるX方向の長さ10cmに対する反り量(Cx)と,X方向と直交する方向であるY方向における長さ10cmに対する反り量(Cy)の数値範囲をそれぞれ定め,さらに,Cxの絶対値とCyの絶対値の関係を定めた本件訂正発明1の技術的意義を理解できないものにしているといわざるを得ない。
37
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-11-26
事件番号:平成26(行ケ)10254
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社ベルグリーンワイズ
被告:住友ベークライト株式会社
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 柵木澄子 鈴木わかな
発明の名称等:「青果物用包装袋及び青果物包装体」
争点:明確性要件(違反なし→なし)
参照条文:36条6項2号
分野:化学
分類:構造物(青果物用包装袋)
ポイント:本件発明1は,特許請求の範囲(請求項1)に記載されているとおり,所定の長さの切れ込みが設けられた「青果物用包装袋」の発明であるところ,「青果物100gあたりの切れ込みの長さの合計」は,包装袋全体に設けられた切れ込みの長さの合計と,青果物用包装袋に包装されている青果物の重量又は包装される青果物のあらかじめ設定されている重量とに基づいて,一義的に定まる数値であると認められる。したがって,「青果物100gあたりの切れ込みの長さの合計」との発明特定事項は,不明確であるとはいえない。
38
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-06-24
事件番号:平成26(行ケ)10206
事件種別:審決取消請求
原告:和氣技術研究所株式会社
被告:新光株式会社
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長) 大寄麻代 岡田慎吾
発明の名称等:「袋入り抗菌剤」
争点:共同出願(違反あり→あり)
参照条文:38条
分野:化学
分類:構造(袋入り抗菌剤)
ポイント:完成したCL-40の試作品の外袋と薬剤袋との間に隙間があり,その隙間に放出孔が位置するという構成(発明特定事項h)となることに着目し,同構成により二酸化塩素の除放を可能とするという技術的意義自体に気が付き,本件発明1を完成させたのがAであるとしても,それはBの創作した外袋により生じた発明特定事項hの構成についての技術的意義を発見したものであり,Aが単独で本件発明1の「創作」をしたものとはいえない。そして,Bは,別な技術的理由に基づき,上記の外袋に構成に想到したとしても,少なくともそのような構成を具体化する上ではBの着想し,具体化した放出孔の位置が貢献したことになるから,原告の上記主張は,Bが本件発明の共同発明者であることを否定する理由とはならないというべきである。
39
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-10
事件番号:平成26(行ケ)10137
事件種別:審決取消請求
原告:アウトラスト テクノロジーズ,リミテッド ライアビリティ カンパニー
被告:特許庁長官
判決:請求認容
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 新谷貴昭 鈴木わかな
発明の名称等:「可逆的熱特性を有する複合繊維」
争点:手続違背(あり)
参照条文:50条
分野:化学
分類:材料(複合繊維)
ポイント:本件審決が,特許法29条1項3号の規定に該当し,特許を受けることができない旨の判断をした平成24年補正後本願発明1は,本件拒絶査定の理由とされていなかったのであるから,平成14年改正前特許法159条2項にいう「査定の理由」は存在しない。
40
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-04-28
事件番号:平成26(行ケ)10229
事件種別:審決取消請求
原告:日新産業株式会社
被告:大昭和精機株式会社
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 中村恭 中武由紀
発明の名称等:「位置検出器及びその接触針」
争点:実施可能要件(違反あり→あり)
参照条文:34条4項1号
分野:化学
分類:装置(位置検出器)
ポイント:タングステンカーバイトは非磁性体であり,ニッケルは強磁性体であるから,タングステンカーバイト―ニッケル系超硬合金の非磁性化は,強磁性体であるニッケルを非磁性化することにより達成されるものであることは明らかであり,この非磁性化のための手段としての技術常識は,次の①及び②のとおりであると認められる。本件製造方法は,①及び②のいずれの手段も採用するものではないから,非磁性化を可能とするための通常知られている手段を有するとはいえない。
41
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-09-30
事件番号:平成27(ネ)10044 <原審;東京地方裁 判所平成23(ワ)14368>
事件種別:職務発明対価請求控訴
原告:株式会社リケン <控訴人兼被控訴人>
被告:X <被控訴人兼控訴人>
判決:一部控訴認容
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長) 大寄麻代 岡田慎吾
発明の名称等:「オイルリング」
争点:対価請求権の消滅時効の進行開始時
参照条文:35条
分野:化学
分類:構造(オイルリング)
ポイント:本件特許規定等は,一審被告が,本件各発明の特許を受ける権利の承継の相当な対価の支払として,出願賞,登録賞,実施賞及び社長表彰を支払うことを定めており,社長表彰以外は,支払時期の定めがあることが認められ,これによれば,本件各発明の特許を受ける権利承継の相当の対価については,前掲最判における「勤務規則等に,使用者が従業者に対して支払うべき対価の支払時期の定めがあるとき」に該当し,その各支払時期が消滅時効期間の進行開始の起算点となるものと認められる。そして,一審被告は,本件特許規定等に従って,本件各発明の登録日以降,各年度毎の実施について,各年度終了日から遅くとも1年以内に実施賞を支払っていることからすれば,本件各発明の各年度の実施に係る相当の対価については,各年度終了日の1年後の翌日から消滅時効期間の進行が開始すると解するのが相当である。
42
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-02-26
事件番号:平成23(ワ)14368
事件種別:職務発明対価請求
原告:A
被告:株式会社リケン
判決:一部請求認容
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 清野正彦 髙橋彩
発明の名称等:「ピストンリング及びその製造方法」,「ピストンリング」,「摺動部材」
争点:対価請求権の消滅時効の進行開始時
参照条文:35条
分野:化学
分類:構造(ピストンリング
ポイント:実施賞は年度ごとの実施(更に平成14年度までは年度を通じての実施)を要件として支払われるものであり,当該年度が終了しなければ相当の対価の額を算定することができず,したがって,その支払を請求することもできないから,実施賞の支払対象となる年度の実施についての相当の対価支払請求権の消滅時効は当該年度が終了するまで進行することはないと解すべきものである。他方,実施賞の支払対象となっていない期間における実施についての相当の対価支払請求権については,上記原則どおり,特許を受ける権利の承継の時から消滅時効が進行すると解される。
43
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-03-19
事件番号:平成26(ワ)162
事件種別:職務発明対価請求
原告:A
被告:HOYA株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 髙橋彩 植田裕紀久
発明の名称等:「ガラス板の製造方法及び製造装置」,「ガラス物品の徐冷方法,ガラス物品の加熱方法,ガラス成形品の製造方法,及び熱処理装置」,「板ガラスの製造装置及び製造方法,並びにガラス製品及び液晶ディスプレイの製造方法」
争点:独占の利益(なし)
参照条文:35条
分野:化学
分類:方法(ガラス板製造)
ポイント:被告の工場内で本件第2発明が実施されていたとみることができるが,実施を認め得るのは,原告が実施を主張する多数の炉及び期間20年のうちごく一部の炉及び期間にとどまるものである。さらに,被告が本件第2発明の実施により電気料金の低減といった利益を得ていたとしても,これは通常実施権によっても得ることのできる利益であり,被告が独占の利益を得ていたとは認められない。
44
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-03-19
事件番号:平成26(ワ)162
事件種別:職務発明対価請求
原告:A
被告:AvanStrate株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 髙橋彩 植田裕紀久
発明の名称等:「ガラス板製造方法,ガラス板製造装置およびガラス板冷却方法」,「ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置」,「ガラス板製造装置およびガラス板冷却方法」,「ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置」,「ガラス基板の製造方法およびガラス基板の製造装置」
争点:独占の利益(なし)
参照条文:35条
分野:化学
分類:方法(ガラス板製造)
ポイント:従業者が使用者に対し職務発明について相当の対価の支払を求める訴訟においては,一般に,使用者の側が実施の有無,独占の利益等に関する証拠を多数保有しているので,従業者の側で発明の実施,独占の利益の存在等を裏付ける事情をある程度具体的に示した場合であれば,使用者の側で実施の有無,独占の利益の存否等について積極的に開示すべきものと考えられる。ところが,本件において,原告は,本件各発明が被告又はその子会社の製品の2割について実施され,相当の対価の額は合計で約43億円に上ると主張し,その支払を請求(一部請求)するというのであるから,訴え提起に先立って事実関係を十分に調査し,可能な限り証拠を収集して,訴状に具体的な請求原因事実を記載すべきところ,本件の訴状には実施の状況に関して極めて漠然とした記載しかなく,当裁判所がこの点を明瞭にするよう再三求めたにもかかわらず,上記の程度の主張立証しかされなかった。なお,原告は実施の事実を立証するためとして,被告に対する文書提出命令の申立てをしたが,以上の経過に照らすと原告の申立ては明らかに失当であるので,当裁判所はこれを採用しなかった。
45
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-08-27
事件番号:平成26(ワ)25577
事件種別:特許権侵害行為差止等請求
原告:日本ライフライン株式会社
被告:朝日インテック株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第47部
裁判官:沖中康人(裁判長) 廣瀬達人 宇野遥子
発明の名称等:「医療用ガイドワイヤ」
争点:技術的範囲の属否(属しない)
参照条文:70条
分野:化学
分類:構造(医療用ガイドワイヤ)
ポイント:被告製品の灰色部に含まれるAu成分が主としてAuとして存在することを認めるに足りる証拠はなく,かえって,これは主としてAuSn4として存在するものであるといえるから,前記の解釈を踏まえれば,これが含まれるからといって,被告製品の灰色部がAu及びSnを主成分とするはんだであるとは認められない。むしろ,被告製品の灰色部は,AuSn4(明灰色部)を含む銀錫(「Ag-Sn系はんだ」)であると考えられ,これは,証拠によれば,「Ag-Sn系はんだ」と比較して高い固着強度を有する「Au-Sn系はんだ」であるとは到底認められない。
46
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-09-29
事件番号:平成25(ワ)3360
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:JX日鉱日石金属株式会社
被告:田中貴金属工業株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 清野正彦 藤原典子
発明の名称等:「非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:化学
分類:材料(スパッタリングターゲット)
ポイント:構成要件1-Bにいう「前記材料の研磨面」は,焼結体スパッタリングターゲットの材料の表面又は内部の任意の箇所を研磨した面を意味し,2回目以降の研磨後の面も含むと判断するのが相当である。「研磨面」につき原告主張の解釈を採用したとしても,被告製品1は構成要件1-Bを充足しないことになる。
47
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-03-24
事件番号:平成26(ワ)23512
事件種別:差止請求
原告:株式会社チャフローズ・コーポレーション
被告:株式会社抗菌研究所/菱江化学株式会社/ヤフー株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 清野正彦 髙橋彩
発明の名称等:「洗浄剤」
争点:技術的範囲の属否(属しない)
参照条文:70条
分野:化学
分類:組成物(洗浄剤)
ポイント:本件発明は,ホタテ等の貝殻を粉砕した炭酸カルシウム粉末の粒体が多孔質粒体であり,多孔質粒体は吸着効果が大きいことを利用して,洗浄する物品に付着した化学物質等を吸着することを技術思想とする発明であると認められる。そうすると,本件発明の「炭酸カルシウムの方解石型構造による結晶構造体を備えた貝殻を粉砕した粉末からなる炭酸カルシウム粉末」とは,上記のとおり,貝殻を粉砕した粉末そのものであることを要するものであり,ホタテ貝殻を粉砕した粉末を焼成して得られた酸化カルシウム粉末が化学反応を経て炭酸カルシウム粉末になったものは含まないものと解される。原告は,これと異なる前提に立って,被告各製品がホタテ貝殻を使用した製品であり,酸化カルシウム,炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムを含むことから本件発明の技術的範囲に属すると主張し,被告各製品が,ホタテ貝殻を粉砕した炭酸カルシウム粉末そのものを混合した構成であることを主張立証しない。
48
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-03-24
事件番号:平成26(ワ)23512
事件種別:差止請求
原告:株式会社チャフローズ・コーポレーション
被告:楽天株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 清野正彦 髙橋彩
発明の名称等:「洗浄剤」
争点:技術的範囲の属否(属しない)
参照条文:70条
分野:化学
分類:組成物(洗浄剤)
ポイント:本件発明は,ホタテ等の貝殻を粉砕した炭酸カルシウム粉末の粒体が多孔質粒体であり,多孔質粒体は吸着効果が大きいことを利用して,洗浄する物品に付着した化学物質等を吸着することを技術思想とする発明であると認められる。そうすると,本件発明の「炭酸カルシウムの方解石型構造による結晶構造体を備えた貝殻を粉砕した粉末からなる炭酸カルシウム粉末」とは,上記のとおり,貝殻を粉砕した粉末そのものであることを要するものであり,ホタテ貝殻を粉砕した粉末を焼成して得られた酸化カルシウム粉末が化学反応を経て炭酸カルシウム粉末になったものは含まないものと解される。原告は,これと異なる前提に立って,被告各製品がホタテ貝殻を使用した製品であり,酸化カルシウム,炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムを含むことから本件発明の技術的範囲に属すると主張し,被告各製品が,ホタテ貝殻を粉砕した炭酸カルシウム粉末そのものを混合した構成であることを主張立証しない。
49
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-10-08
事件番号:平成27(ネ)10059 <原審・東京地方裁判所平成26(ワ)23512>
事件種別:差止請求控訴
原告:株式会社チャフローズ・コーポレーション <控訴人>
被告:株式会社抗菌研究所/菱江化学株式会社/ヤフー株式会社 <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 田中芳樹 鈴木わかな
発明の名称等:「洗浄剤」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:化学
分類:組成物(洗浄剤)
ポイント:被告製品1のいずれについても,本件発明を構成する「炭酸カルシウムの方解石型構造による結晶構造体を備えた貝殻を粉砕することによって得られる粉末である炭酸カルシウム粉末」及びこの「炭酸カルシウム粉末の一部を焼成して得られる酸化カルシウム粉末」のいずれの含有も認めるに足りず,したがって,本件発明の技術的範囲に属すると認めるに足りない。
50
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-10-08
事件番号:平成27(ネ)10097 <原審・東京地方裁判所平成26(ワ)23512>
事件種別:差止請求控訴
原告:株式会社チャフローズ・コーポレーション <控訴人>
被告:楽天株式会社 <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 田中芳樹 鈴木わかな
発明の名称等:「洗浄剤」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:化学
分類:組成物(洗浄剤)
ポイント:被告製品1のいずれについても,本件発明を構成する「炭酸カルシウムの方解石型構造による結晶構造体を備えた貝殻を粉砕することによって得られる粉末である炭酸カルシウム粉末」及びこの「炭酸カルシウム粉末の一部を焼成して得られる酸化カルシウム粉末」のいずれの含有も認めるに足りず,したがって,本件発明の技術的範囲に属すると認めるに足りない。
51
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-01-23
事件番号:平成25(ワ)14002
事件種別:特許権に基づく損害賠償請求権等不存在確認請求
原告:株式会社アルティス
被告:株式会社オズ/Y
判決:請求認容
裁判部:民事 第40部
裁判官:東海林保(裁判長) 今井弘晃 足立拓人
発明の名称等:「プラスチック処理装置及び処理方法」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:化学
分類:装置(プラスチック処理)
ポイント:被告Yの上記主張を裏付けるに足りる的確な証拠は存在せず,かえって,本件各トラックは,いずれも平成18年6月末以降に新規登録された車両であり,それ以前に原告が使用したことはないと認められ,また,その後も,プラスチックス溶融滅菌処理装置が搭載された事実がないか,搭載されたことがあっても本件発明に係る装置(オイル方式)とは異なるタイプ(ヒートブロー方式)のものであり,さらに,本件各トラックは,いずれも平成20年9月以降は,産業廃棄物の収集運搬車両として使用され,プラスチックス溶融滅菌処理装置を搭載していなかったものと認められるのであるから,原告が,本件特許権の設定登録日である平成22年6月11日以降に,本件各トラックに本件発明の実施品を搭載して使用していたと認めることはできない。
52
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-06-16
事件番号:平成26(ネ)10104 <原審;東京地方裁判所平成23(ワ)34237>
事件種別:特許権侵害差止等請求控訴
原告:日亜化学工業株式会社 (原告) <控訴人>
被告:三洋電機株式会社 (被告) <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 中村恭 中武由紀
発明の名称等:「窒化物半導体素子」
争点:技術的範囲(原審による構成要件Aの限定解釈の違法性)
参照条文:70条
分野:化学
分類:装置(窒化物半導体素子)
ポイント:特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載の検討に加え,本件補正を経て成立した本件発明の構成要件の解釈に当たっては,原告において,本件補正に際し,本件当初明細書書等に記載されていない事項を含むような補正をする意思ではなかったと解されることを踏まえると,本件発明の構成要件Aの「GaN基板」は,基準面より下の領域の結晶欠陥の数が上の領域のそれよりも相対的に多いものとして特定されるGaN基板を意味するものと解するほかはない。
53
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-11-05
事件番号:平成26(ネ)10082 <原審;東京地方裁判所平成23(ワ)23651>
事件種別:特許権侵害差止請求控訴
原告:新日鐵住金株式会社 <控訴人>
被告:東レ・ダウコーニング株式会社 <被控訴人>
判決:控訴認容
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 柵木澄子 鈴木わかな
発明の名称等:「4H型単結晶炭化珪素の製造方法」
争点:技術的範囲(属する)
参照条文:70条
分野:化学
分類:方法(単結晶炭化珪素の製造)
ポイント:被控訴人方法では,●●● 甲51の上記実験結果に照らせば,乙45の温度プロフィールによる●●●当業者にとって明らかなことである。そして,坩堝の温度が1800℃に達した後,さらに400℃/時間の昇温速度で2100℃まで昇温した際に,いずれか一方の元素が坩堝内に残っていたとしても,形成された炭化珪素が昇華することに変わりはない。また,甲51の実験結果では,X線回折により,炭化珪素の明確なピークが観察されることから,得られた炭化珪素が結晶状態にあることは当業者にとって技術的に明らかなことであり,●●●当業者にとって明らかなことである。被控訴人方法では,乙45の温度プロフィールによる昇温を経た●●●被控訴人方法は,本件発明の「昇華再結晶法」(構成要件A)を充足する。
54
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-12-25
事件番号:平成27(ネ)10112 <原審;東京地方裁判所平成25(ワ)30391,平成26(ワ)2126>
事件種別:違約金請求本訴,違約金請求反訴控訴
原告:日本アルコール産業株式会社 <控訴人>
被告:株式会社CDMコンサルティング <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第3部
裁判官:大鷹一郎(裁判長) 大西勝滋 田中正哉
発明の名称等:「バイオエタノール」
争点:専用実施権の設定合意の成否(不成立)
参照条文:77条
分野:化学
分類:材料(バイオエタノール)
ポイント:BとAの協議の経過を見ても,被控訴人がFBCに付与することとされる実施権の種類やこれを無償とするか有償とするかなど,当該実施権の内容や設定の条件に関する具体的な話合いが行われた形跡は見られないのであり,このような経過からしても,控訴人と被控訴人との間においては,本件基本合意に当たって,被控訴人がその保有する除染技術に係る知的財産権をFBCの利用に供する義務を負うという基本方針についての合意はあったものの,FBCに付与される実施権の内容や設定の条件等についてまでは具体的に詰められておらず,後に行われる被控訴人とFBCとの協議に委ねることとされていたものと考えるのが自然である。そして,このようにFBCに付与される実施権の内容や設定の条件等が定まっていない状況において,実施権付与の対価を無償とすることが合意されていたとは考えにくいというべきである。
55
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-01-22
事件番号:平成24(ワ)15621
事件種別:特許権侵害行為差止等請求
原告:JX日鉱日石金属株式会社
被告:三菱電機メテックス株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第47部
裁判官:高野輝久(裁判長) 三井大有 宇野遥子
発明の名称等:「強度と曲げ加工性に優れたCu-Ni-Si系合金」
争点:差止めの必要性(なし)
参照条文:100条
分野:化学
分類:組成(Cu-Ni-Si系合金)
ポイント:被告の製品において,たまたま構成要件Dを充足するX線ランダム強度比の極大値が測定されたとして,当該製品全体の製造,販売等を差し止めると,構成要件を充足しない部分まで差し止めてしまうことになるおそれがあるし,逆に,一定箇所において構成要件Dを充足しないX線ランダム強度比の極大値が測定されたとしても,他の部分が構成要件Dを充足しないとは言い切れないのであるから,結局のところ,被告としては,当該製品全体の製造,販売等を中止せざるを得ないことになる。そして,構成要件Dを充足する被告合金1及び2が製造される蓋然性が高いとはいえないにせよ,甲5のサンプル2のように,下限値付近の測定値が出た例もあることに照らすと,本件で,原告が特定した被告各製品について差止めを認めると,過剰な差止めとなるおそれを内包するものといわざるを得ない。
56
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-25
事件番号:平成26(行ケ)10145
事件種別:審決取消請求
原告:X₁/X₂
被告:ペガサス・キャンドル株式会社
判決:請求認容
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長) 大寄麻代 平田晃史
発明の名称等:「ローソク」
争点:訂正要件(違反なし→あり)
参照条文:134条の2第1項ただし書
分野:化学
分類:構造(ローソク)
ポイント:特許法は,そのような相反する要請の調和を図る具体的な範囲として,同法134条の2第1項ただし書の各号に掲げる事項を目的とするものに限って訂正を認めているのであり,同項2号の「誤記又は誤訳の訂正」とは,その文言上,記載内容自体が誤っているときに,その記載を正しい記載内容に訂正することを意味することが明らかであるから,記載内容自体が誤っていない記載の訂正を,同号に含めることはできない。
57
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-08-26
事件番号:平成26(行ケ)10235
事件種別:審決取消請求
原告:アクゾノーベル株式会社
被告:昭和電工株式会社
判決:請求認容
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長) 大寄麻代 岡田慎吾
発明の名称等:「洗浄剤組成物」
争点:一事不再理効(抵触あり→なし)
参照条文:167条
分野:化学
分類:組成物(洗浄剤)
ポイント:主引用例は,特許発明の出願時における公知技術を示すものであればよいのであるから,甲1文献のように出願時における周知技術を示す文献であっても,主引用例になり得ることも明らかであり,これを主引用例たり得ないとする理由はない。さらに,主引用発明が同一であったとしても,主引用発明に組み合わせる公知技術又は周知技術が実質的に異なれば,発明の容易想到性の判断における具体的な論理構成が異なることとなるのであるから,これによっても無効理由は異なるものとなる。よって,特許発明と対比する対象である主引用例に記載された主引用発明が異なる場合も,主引用発明が同一で,これに組み合わせる公知技術あるいは周知技術が異なる場合も,いずれも異なる無効理由となるというべきであり,これらは,特許法167条にいう「同一の事実及び同一の証拠」に基づく審判請求ということはできない。
58
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-10-28
事件番号:平成27(行コ)10003 <(原審;東京地方裁判所平成26(行ウ)254>
事件種別:再審査請求控訴
原告:X <控訴人>
被告:国 <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長) 大寄麻代 岡田慎吾
発明の名称等:「多糖類由来化合物の生成方法並びに生成装置」
争点:拒絶査定の行服法による不服申立の適法性(不適法
参照条文:195条の4 行服法6条
分野:化学
分類:方法(多糖類由来化合物の生成)
ポイント:当裁判所も,拒絶査定については,行政不服審査法6条による不服申立てをすることができないから,本件異議申立てのうち,本件拒絶査定の取消しを求める部分は不適法であり,本件決定のうち本件拒絶査定に係る異議申立てを却下した部分に違法は認められず,また,本件決定のうち本件手続却下処分に係る異議申立てを棄却した部分にも違法は認められないから,控訴人の請求は理由がないものと判断する。
59
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-04-15
事件番号:平成26(行ウ)254
事件種別:再審査請求
原告:A
被告:
判決:請求棄却
裁判部:民事 第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長) 鈴木千帆 本井修平
発明の名称等:「多糖類由来化合物の生成方法並びに生成装置」
争点:拒絶査定に係る異議申立却下の違法性(適法)
参照条文:行訴法10条2項
分野:化学
分類:方法(多糖類由来化合物の生成)
ポイント:本件決定のうち,本件拒絶査定に係る異議申立てを却下した部分について拒絶査定に対する不服申立ては,専ら拒絶査定不服審判によるべきであって,行政不服審査法による不服申立てをすることはできない(同法4条1項ただし書,法195条の4)。
60
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-01-28
事件番号:平成26(行ケ)10068
事件種別:審決取消請求
原告:セントラル硝子株式会社
被告:ゾルファイ フルーオル ゲゼルシャフトミット ベシュレンクテル ハフツング
判決:一部請求認容
裁判部:第3部
裁判官:石井忠雄(裁判長) 田中正哉 神谷厚毅
発明の名称等:「ポリウレタンフォームおよび発泡された熱可塑性プラスチックの製造」
争点:審決取消判決の拘束力(違反あり)
参照条文:行訴法33条1項
分野:化学
分類:組成物(発泡剤)
ポイント:第1次審決取消後の新たな審判手続において,第1次取消判決が引用したのとほぼ同じ甲1文献の記載内容から,甲1発明として,HCFC-141b,HFC-245fa及びHFC-365mfcという3つの組成物を含む点で甲1混合気体と実質的に同一の混合物を認定しただけでなく,第1次審決や第1次取消判決の認定と異なり,その使用目的を新たに認定し,この使用目的に照らして,同混合物からHCFC-141bを除去することに当業者が容易に想到し得ないと判断することは,第1次取消判決の上記認定判断に抵触するものというべきである。
61
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-04-28
事件番号:平成26(ワ)5011
事件種別:損害賠償請求
原告:ソルヴェイ・エスエー
被告:江蘇揚農化工集団有限公司
判決:請求棄却
裁判部:民事 第47部
裁判官:沖中康人(裁判長) 宇野遥子 藤田壮
発明の名称等:「グリセロールからジクロロプロパノールを製造するための方法であって,該グリセロールが最終的にバイオディーゼルの製造における動物性脂肪の転化から生じる方法」
争点:国際裁判管轄(なし)
参照条文:民訴3条の3第8号
分野:化学
分類:方法(ジクロロプロパノール製造)
ポイント:関連共同性を基礎付ける客観的事実関係又は教唆ないし幇助行為についての客観的事実関係が証明されているとはいえず,その他本件訴えにつき我が国の国際裁判管轄を認めるべき特段の事情も窺われないから,本件において「不法行為があった地が日本国内にある」とは認められない。
62
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-07-31
事件番号:平成26(ワ)688
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:日産化学工業株式会社
被告:相模化成工業株式会社/日医工株式会社/壽製薬株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第40部
裁判官:東海林保(裁判長) 廣瀬孝 勝又来未子
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」
争点:新規性(なし)
参照条文:29条1項3号 104条の3
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム)
ポイント:乙6追試は,乙3発明を,技術常識を参酌して追試した結果を示していると認めるのが相当である。以上によれば,本件結晶発明1は,乙3公報に記載されているに等しい事項というべきであるから,特許法29条1項3号により,特許を受けることができない。
63
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-10-28
事件番号:平成26(ネ)10109 <原審・東京地方裁判所平成25(ワ)4303>
事件種別:特許権侵害行為差止等請求控訴
原告:株式会社バイオセレンタック <控訴人>
被告:コスメディ製薬株式会社/岩城製薬株式会社 <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第3部
裁判官:大鷹一郎(裁判長) 大西勝滋 田中正哉
発明の名称等:「経皮吸収製剤,経皮吸収製剤保持シート,及び経皮吸収製剤保持用具」
争点:新規性(なし)
参照条文:29条1項3号 104条の3
分野:医薬類
分類:剤形(パッチ剤)
ポイント:乙15記載の医療用針は,本件発明の各構成要件の構成を全て備えているものと認められる。本件発明は,本件優先日2の前に頒布された刊行物である乙15文献に記載された発明であると認められ,特許法29条1項3号の規定により特許を受けることができないものである。
64
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-04-13
事件番号:平成26(行ケ)10139(甲事件) 平成26(行ケ)10085(乙事件)
事件種別:審決取消請求
原告:スキャンティボディーズ・ラボラトリー,インコーポレイテッド <甲事件原告> DSファーマバイオメディカル株式会社 <乙事件原告>
被告:エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー <甲事件被告・乙事件被告>
判決:請求棄却
裁判部:第3部
裁判官:石井忠雄(裁判長) 西理香 田中正哉
発明の名称等:「完全型副甲状腺ホルモンの測定方法ならびに副甲状腺疾患および慢性腎不全患者の骨状態の識別方法」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:測定キット(副甲状腺ホルモン量測定)
ポイント:当業者であれば,甲8文献が示唆している上記の技術的課題を解決すべく,PTH(7-84)には含まれないPTHの一番端のN末端部位であるPTH(1-6)に対する抗体を実際に作成し,それを甲8文献に記載された抗アミノ末端シグナル抗体として用いることにより,PTH(7-84)を検出することのないインタクトPTH測定用キット,すなわち「阻害性の非(1~84)副甲状腺ホルモン断片を検出することなく,生物学的サンプル中のヒト完全型副甲状腺ホルモン量を測定する」キットとし,訂正発明1に係る相違点1の構成とすることは,当業者が容易に想到し得たものというべきである。
65
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-08-20
事件番号:平成26(行ケ)10182
事件種別:審決取消請求
原告:サントリーホールディングス株式会社
被告:特許庁長官
判決:請求認容
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 田中芳樹 柵木澄子
発明の名称等:「日中活動量の低下および/又はうつ症状の改善作用を有する組成物」
争点:進歩性(なし→あり)
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:用途(うつ症状改善)
ポイント:引用発明1’には,うつ症状が改善されることについての記載も示唆もないから,本願補正発明と引用発明1’との相違点C’は,実質的な相違点というべきであり,この相違点C’に係る本願補正発明の構成に至ることが容易であると認めるに足りない。
66
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-07-30
事件番号:平成26(行ケ)10233
事件種別:審決取消請求
原告:ピーエーティーゲーエムベーハー
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 片岡早苗 新谷貴昭
発明の名称等:「粘膜保護用医薬としてのホスファチジルコリン」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:医薬類
分類:用途(粘膜保護用)
ポイント:通常,医薬とする場合には,有効量を適用することが当然であるし,有効成分のほかに何らかの医薬として許容される担体を使用するものであるから,引用発明に係るホスファチジルコリンを治療に用いるに当たり,医薬として許容される製剤中に含ませることも,ごく通常行われることにすぎない。引用発明の「結腸における粘膜保護用剤」を,結腸で作用させることを目的として,pHに依存する遅延放出形態とすることは,当業者が容易になし得ることである。
67
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-01-22
事件番号:平成25(行ケ)10285
事件種別:審決取消請求
原告:エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
被告:特許庁長官
判決:請求認容
裁判部:第4部
裁判官:富田善範(裁判長) 大鷹一郎 田中芳樹
発明の名称等:「イバンドロネート多形A」
争点:発明の同一性(同一→非同一)
参照条文:29条の2
分野:医薬類
分類:結晶(イバンドロネート)
ポイント:先願発明において,フォームTのTGAによる重量損失に関わった水が,付着水か結晶水のいずれであるかは,非等温的TG曲線の解析やDSC測定の解析をするなどして,重量減少と温度の関係を観察しなくては推定することができない。したがって,上記のようなフォームTの調製方法や熱重量分析の結果を検討しただけでは,フォームTが一水和物であると認めることはできない。以上によれば,本件審決が,先願発明であるフォームTを一水和物と認定したことには誤りがあるというほかない。
68
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-01-22
事件番号:平成25(行ケ)10286
事件種別:審決取消請求
原告:エフ.ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
被告:特許庁長官
判決:請求認容
裁判部:第4部
裁判官:富田善範(裁判長) 大鷹一郎 田中芳樹
発明の名称等:「イバンドロネート多形B」
争点:発明の同一性(同一→非同一)
参照条文:29条の2
分野:医薬類
分類:結晶(イバンドロネート)
ポイント:粉末X線回折測定法において,結晶形の回折ピーク強度は,結晶における原子配列,原子の種類等により決められるとされていることが認められるから,同じフォームQQであっても結晶水の数に応じて回折パターンは異なるというべきである。しかるに,先願明細書の図18の試料がどのようなものであるのかが不明である以上,フォームQQを一水和物であると特定することはできない。したがって,本件審決が,先願発明であるフォームQQを一水和物と認定したことには誤りがあるというほかない。
69
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-07-16
事件番号:平成26(行ケ)10158
事件種別:審決取消請求
原告:X
被告:特許庁長官
判決:請求認容
裁判部:第4部
裁判官:富田善範(裁判長) 大鷹一郎 鈴木わかな
発明の名称等:「可食用酸及び/又はその酸性塩を含む薬剤組成物と用途」
争点:補正の該当性(非該当→該当)
参照条文:17条の2第1項4号
分野:医薬類
分類:用途(アレルギー)
ポイント:本件書面1は,本件審判請求書と同時に特許庁に提出された,本願の特許請求の範囲の補正を内容とする様式13に適合する手続補正書であるから,特許法17条の2第1項4号に基づく補正に係る手続補正書に該当するものと認められる。そうすると,本件審判手続においては,本件書面による補正が特許法17条の2第3項ないし5項所定の補正の要件に適合するかどうかについて審理判断を行い,適法であれば,本件書面による補正後の特許請求の範囲(請求項1及び2)の記載に基づいて発明の要旨認定を行い,その特許要件について審理判断を行うべきであったものであるが,本件審決には,本件書面1による補正がされたことを看過し,上記審理判断を行うことなく,本件書面による補正前の特許請求の範囲の記載に基づいて発明の要旨認定を行った誤りがあり,この誤りは,審決の結論に影響を及ぼすべきものと認められる。
70
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-08-05
事件番号:平成26(行ケ)10238
事件種別:審決取消請求
原告:X1/X2
被告:特許庁長官
判決:請求認容
裁判部:第3部
裁判官:鶴岡稔彦(裁判長) 田中正哉 神谷厚毅
発明の名称等:「活性発泡体」
争点:実施可能要件(違反あり→なし)
参照条文:36条4項1号
分野:医薬類
分類:構造(活性発泡体)
ポイント:本願発明は,活性発泡体であるから,本願発明は物の発明であり,本願発明が実施可能であるというためには,本願明細書及び図面の記載並びに本願出願当時の技術常識に基づき,当業者が,本願発明に係る活性発泡体を作ることができ,かつ,当該活性発泡体を使用できる必要があるとともに,それで足りるというべきである。本願発明の請求項における「薬剤投与の際に」とは,その文言からして,活性発泡体を用いる時期を特定するものにすぎず,その請求項において,薬剤の効果を高めるとか,病気の治癒を促進するなどの目的ないし用途が特定されているものではない。よって,本願明細書に,活性発泡体の薬剤との併用効果についての開示が十分にされていないとしても,活性発泡体を「薬剤投与の際に人体に直接又は間接的に接触させて用いる」ことに,それ以外の技術上の意義があるということができるのであれば,少なくとも実施可能要件に関する限り,本願明細書の記載及び本願出願当時の技術常識に基づき,本願発明に係る活性発泡体を「使用できる」というべきである。そして,検討次第では,少なくとも,本願発明に係る活性発泡体を,血行促進効果を発揮させることができるような形で「使用できる」と認める余地があり得ることは,前記説示のとおりである。
71
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-12-24
事件番号:平成26(行ケ)10263
事件種別:審決取消請求
原告:セルビオス-ファーマ エス アー
被告:ザ トラスティーズ オブ コロンビア ユニバーシティ イン ザ シティ オブ ニューヨーク/中外製薬株式会社
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 中村恭 中武由紀
発明の名称等:「ビタミンDおよびステロイド誘導体の合成用中間体およびその製造方法」
争点:実施可能要件(違反なし→なし)
参照条文:36条4項1号
分野:医薬類
分類:製法(マキサカルシトール)
ポイント:本件明細書の記載及び本件出願日当時の当業者の技術的知見を考慮すると,「Z」が「ビタミンD構造」である出発化合物を用いた場合にも,当業者であれば,「ステロイド環構造」である実施例の条件を参考にしつつ,本件明細書に記載された範囲内で反応条件を適宜設定することにより,過度な試行錯誤を要することなく,エポキシド化合物(中間体)及び目的化合物を製造することができる。
72
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-10-13
事件番号:平成27(行ケ)10021
事件種別:審決取消請求
原告:キメリクス,インコーポレイテッド
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 中村恭 中武由紀
発明の名称等:「ウイルス感染症およびその他の内科疾患を治療するための化合物,組成物および方法」
争点:実施可能要件(違反あり→あり)
参照条文:36条4項1号
分野:医薬類
分類:用途(ウイルス感染症治療)
ポイント:本願明細書の発明の詳細な説明の記載から,ウイルス感染症を発症している患者に対してHDP-CDVと共に免疫抑制剤を投与すると,HDP-CDVの生物学的利用能が増強されることを当業者が理解することが可能であったとしても,上記の技術常識に照らすと,それと同時に,免疫抑制剤の利用により免疫が抑制されて感染症が悪化することが懸念されることから,HDP-CDVと免疫抑制剤を併用した場合には,HDP-CDVを単独で用いる場合に比べてウイルス感染の治療効果が向上するか否かは不明であるというほかなく,当業者が本願発明に医薬としての有用性があることを合理的に理解することは困難である。
73
詳細
クリック!
裁判所:最高裁
判決日:2015-06-05
事件番号:平成24(受)2658
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:テバ ジョジセルジャール ザートケルエン ムケドレースべニュタールシャシャーグ
被告:協和発酵キリン株式会社
判決:破棄差戻
裁判部:第二小法廷
裁判官:千葉勝美(裁判長) 小貫芳信 鬼丸かおる 山本庸幸
発明の名称等:「プラバスタチンラクトン及びエピプラバスタチンを実質的に含まないプラバスタチンナトリウム,並びにそれを含む組成物」
争点:発明の要旨認定(プロダクト・バイ・プロセス・クレーム)
参照条文:36条5項
分野:医薬類
分類:塩(プラバスタチンナトリウム)
ポイント:物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合において,そのような特許請求の範囲の記載を一般的に許容しつつ,その発明の要旨は,原則として,特許請求の範囲に記載された製造方法により製造された物に限定して認定されるべきものとした原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。
74
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-10-30
事件番号:平成24(ワ)36311
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:メリアル エス アー エス
被告:フジタ製薬株式会社
判決:請求認容
裁判部:民事 第40部
裁判官:東海林保(裁判長) 今井弘晃 廣瀬孝
発明の名称等:「哺乳動物,特に犬猫のノミを防除するための殺虫剤の組合せ」
争点:サポート要件(違反なし)
参照条文:36条6項1号 104条の3
分野:医薬類
分類:組合せ剤(哺乳類用殺虫剤)
ポイント:本件明細書には,「本発明はさらにその他の寄生虫,特にダニに対しても効果を発揮し,・・・外部寄生虫,あるいは,内部寄生虫の防除にまで拡大することができる」(摘記事項ニ)と記載されており,本件各特許発明の解決しようとする課題の一つに,ダニに対する防除効果を発揮する組成物を提供することがあるものと認められる。そして,フィプロニルは,ダニに対して殺虫作用を有するものであることは本件特許の出願時の技術常識であることを考慮すると,本件各特許発明は,ダニに対しても防除効果を有することは,当業者が推認することができるものと認められる。
75
詳細
クリック!
裁判所:最高裁
判決日:2015-11-17
事件番号:平成26(行ヒ)356
事件種別:審決取消請求
原告:ジェネンテック,インコーポレイテッド
被告:特許庁長官
判決:上告棄却
裁判部:第三小法廷
裁判官:木内道祥(裁判長) 岡部喜代子 大谷剛彦 大橋正春 山崎敏充
発明の名称等:「血管内皮細胞増殖因子アンタゴニスト」
争点:存続期間延長登録
参照条文:67条の3第1項1号
分野:医薬類
分類:用途(ベバシズマブ)
ポイント:本件特許権の特許発明は,血管内皮細胞増殖因子アンタゴニストを治療有効量含有する,がんを治療するための組成物に関するものであって,医薬品の成分を対象とする物の発明であるところ,医薬品の成分を対象とする物の発明について,医薬品としての実質的同一性に直接関わることとなる両処分の審査事項は,医薬品の成分,分量,用法,用量,効能及び効果である。そして,本件処分に先行して,本件先行処分がされているところ,本件先行処分と本件処分とを比較すると,本件先行医薬品は,その用法及び用量を「他の抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人には,ベバシズマブとして1回5mg/kg(体重)又は10mg/kg(体重)を点滴静脈内投与する。投与間隔は2週間以上とする。」とするものであるのに対し,本件医薬品は,その用法及び用量を「他の抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人にはベバシズマブとして1回7.5mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。」などとするものである。そして,本件先行処分によっては,XELOX療法とベバシズマブ療法との併用療法のための本件医薬品の製造販売は許されなかったが,本件処分によって初めてこれが可能となったものである。
76
詳細
クリック!
裁判所:最高裁
判決日:2015-06-05
事件番号:平成24(受)1204
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:テバ ジョジセルジャール ザートケルエン ムケドレースべニュタールシャシャーグ
被告:協和発酵キリン株式会社
判決:破棄差戻
裁判部:第二小法廷
裁判官:千葉勝美(裁判長) 小貫芳信 鬼丸かおる 山本庸幸
発明の名称等:「プラバスタチンラクトン及びエピプラバスタチンを実質的に含まないプラバスタチンナトリウム,並びにそれを含む組成物」
争点:技術的範囲(プロダクト・バイ・プロセス・クレーム)
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:塩(プラバスタチンナトリウム)
ポイント:物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合において,当該特許請求の範囲の記載が特許法36条6項2号にいう「発明が明確であること」という要件に適合するといえるのは,出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか,又はおよそ実際的でないという事情が存在するときに限られると解するのが相当である。
77
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-01-27
事件番号:平成25(ワ)33993
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:日産化学工業株式会社/興和株式会社(原告補助参加人)
被告:ダイト株式会社/持田製薬株式会社/東和薬品株式会社/鶴原製薬株式会社/科研製薬株式会社/小林化工株式会社/MeijiSeikaファルマ株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 清野正彦 植田裕紀久
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム)
ポイント:本件各発明の構成要件C・C’を充足するためには,15本のピークの全ての回折角の数値が小数点第2位まで一致することを要し,その全部又は一部が一致しないピタバスタチンカルシウム塩の結晶又はその保存方法はその技術的範囲に属するということができないものと解するのが相当である。  原告測定においては,15本全てのピークについて回折角の数値が小数点第2位まで一致するような測定結果は得られなかったというのである。そして,原告が被告原薬等に含まれるとするピタバスタチンカルシウム塩における15本のピークの回折角は別紙物件目録記載1のとおりであり,うち9本は構成要件C・C’と相違している。そうすると,同目録記載の回折角自体から,被告原薬等は構成要件C・C’を充足しないと判断すべきことになる。
78
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-02-10
事件番号:平成26(ワ)3343
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:日産化学工業株式会社
被告:株式会社陽進堂
判決:請求棄却
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 清野正彦 植田裕紀久
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム)
ポイント:本件各発明の構成要件C・C’を充足するためには,15本のピークの全ての回折角の数値が小数点第2位まで一致することを要し,その全部又は一部が一致しないピタバスタチンカルシウム塩の結晶又はその保存方法はその技術的範囲に属するということができないものと解するのが相当である。原告が被告原薬等に含まれるとするピタバスタチンカルシウム塩における15本のピークの回折角は別紙物件目録記載1のとおりであり,うち12本は構成要件C・C’と相違している。そうすると,同目録記載の回折角自体から,被告原薬等は構成要件C・C’を充足しないと判断すべきことになる。
79
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-04-28
事件番号:平成26(ワ)5187
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:日産化学工業株式会社
被告:沢井製薬株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第47部
裁判官:沖中康人(裁判長) 三井大有 藤田壮
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム)
ポイント:特許請求の範囲及び明細書の記載によれば,本件発明1-1の技術的範囲に属するというためには,構成要件C1,C2に規定された15本のピーク全てについて回折角の数値が小数点以下2桁まで一致することを要すると解すべきである。しかるところ,原告は,被告原薬に含まれるピタバスタチンカルシウム塩における15本のピークの回折角(2θ)は,4.98°,6.79°,9.13°,10.39°,10.87°,13.20°,13.61°,14.03°,18.36°,20.64°,21.58°,23.56°,24.17°,26.98°,30.30°である旨主張するが,仮に,原告の主張を前提としても,そのうち14本のピークの数値は構成要件C1,C2の回折角の数値と小数点第2位まで一致してはいないから,被告原薬は構成要件C1,C2を充足せず,これを含有する被告製剤も構成要件C1,C2を充足しない。
80
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-06-25
事件番号:平成26(ワ)3344<甲事件>/ 平成26(ワ)3345<乙事件>
事件種別:特許権侵害差止等請求
原告:日産化学工業株式会社 <甲・乙事件原告>
被告:日本ケミファ株式会社 <甲事件被告> 日新製薬株式会社 <乙事件被告>
判決:請求棄却
裁判部:民事 第47部
裁判官:沖中康人(裁判長) 矢口俊哉 廣瀬達人
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム)
ポイント:特許請求の範囲及び本件明細書1の記載並びに出願経過によれば,本件発明1-1の技術的範囲に属するというためには,構成要件Cに規定された15本のピーク全てについて回折角の数値が小数点以下2桁まで一致することを要すると解すべきである。しかるところ,原告は,被告ら原薬に含まれるピタバスタチンカルシウム塩における15本のピークの回折角(2θ)は,4.98°,6.81°,9.09°,10.45°,10.89°,13.24°,13.65°,14.05°,18.36°,20.64°,21.58°,23.67°,24.11°,27.04°,30.14°である旨主張するが,仮に,原告の主張を前提としても,これら15本のピークの数値は構成要件Cの回折角の数値と小数点第2位までいずれも一致してはいないから,被告ら原薬はいずれも構成要件Cを充足せず,これを含有する被告ら製剤もいずれも構成要件Cを充足しない。
81
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-12-24
事件番号:平成27(ネ)10036 <原審;東京地方裁判所平成26(ワ)3343>
事件種別:特許権侵害差止等請求控訴
原告:日産化学工業株式会社 <控訴人>
被告:株式会社陽進堂 <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 柵木澄子 鈴木わかな
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム)
ポイント:特許請求の範囲の記載に加え,本件各明細書の記載を参酌したとしても,本件各発明の構成要件C・C’を充足するためには,15本のピーク全ての回折角の数値がその数値どおり一致することを要し,その全部又は一部が一致しないピタバスタチンカルシウム塩の結晶又はその保存方法は,本件各発明の技術的範囲に属するということができないものと解するのが相当である。
82
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-12-24
事件番号:平成27(ネ)10031 <原審;東京地方裁判所平成25(ワ)33993>
事件種別:特許権侵害差止等請求控訴
原告:日産化学工業株式会社 <控訴人> 興和株式会社 <控訴人補助参加人>
被告:ダイト株式会社/持田製薬株式会社/東和薬品株式会社/鶴原製薬株式会社/科研製薬株式会社/小林化工株式会社/Meiji Seikaファルマ株式会社 <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第4部
裁判官:高部眞規子(裁判長) 柵木澄子 鈴木わかな
発明の名称等:「ピタバスタチンカルシウム塩の結晶」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:医薬類
分類:結晶(ピタバスタチンカルシウム)
ポイント:特許請求の範囲の記載に加え,本件各明細書の記載を参酌したとしても,本件各発明の構成要件C・C’を充足するためには,15本のピーク全ての回折角の数値がその数値どおり一致することを要し,その全部又は一部が一致しないピタバスタチンカルシウム塩の結晶又はその保存方法は,本件各発明の技術的範囲に属するということができないものと解するのが相当である。
83
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-11
事件番号:平成26(行ケ)10204
事件種別:審決取消請求
原告:コスメディ製薬株式会社
被告:株式会社バイオセレンタック
判決:請求認容
裁判部:第3部
裁判官:石井忠雄(裁判長) 西理香 田中正哉
発明の名称等:「経皮吸収製剤,経皮吸収製剤保持シート,及び経皮吸収製剤保持用具」
争点:訂正の要件(違反なし→あり)
参照条文:134条の2第1項ただし書第1号
分野:医薬類
分類:剤形(パッチ剤)
ポイント:訂正事項3によって除かれる「経皮吸収製剤を収納可能な貫通孔を有する経皮吸収製剤保持用具の貫通孔の中に収納され,該貫通孔に沿って移動可能に保持された状態から押し出されることにより皮膚に挿入される経皮吸収製剤」は,「経皮吸収製剤」という物として技術的に明確であるとはいえない。そうすると,訂正事項3による訂正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は,技術的に明確であるとはいえないから,訂正事項3は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものとは認められない。
84
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-06-10
事件番号:平成26(行コ)10004 平成26(行コ)10005 <原審;東京地方裁判所平成24(行ウ)591>
事件種別:行政処分取消義務付け等請求控訴,同附帯控訴
原告:国 <控訴人兼附帯被控訴人>
被告:レクサン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド/コーリア リサーチ インスティテュート オブ ケミカル テクノロジー <被控訴人兼附帯控訴人>
判決:一部控訴認容
裁判部:第3部
裁判官:石井忠雄(裁判長) 田中正哉 神谷厚毅
発明の名称等:「アリールピペラジン誘導体」
争点:特許査定に対する行服法による不服申立の違法性(違法)
参照条文:195条の4
分野:医薬類
分類:物質(アリールピペラジン誘導体)
ポイント:法における「査定」の用法,法195条の4の規定の制定経過等に照らして,「査定」の文言は文理に照らして解することが自然であり,このように解しても,特許査定の不服に対する司法的救済の途が閉ざされるものではないこと,特許査定に対し,司法的救済のほかに行政上の不服申立ての途を認めるべきかどうかは立法府の裁量的判断に委ねられており,その判断も不合理とはいえないことからすれば,法195条の4の「査定」が拒絶査定のみに限定され,あるいは,処分に審査官の手続違背があると主張される場合の特許査定はこれに含まれないと解すべき理由があるとは認めることができない。そうすると,法195条の4の規定により,本件特許査定に対して行服法による不服申立てをすることは認められないから,本件異議申立ては不適法なものであって,これを前提として,本件訴訟における本件特許査定の取消しの訴えについて行訴法14条3項の規定を適用することはできない。
85
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-10-27
事件番号:平成27(行ウ)202
事件種別:異議申立却下決定取消請求
原告:アンスティチュー・デ・ヴェッソー・エ・デュ・サン/ユニベルシテ・パリ・ディドロ-パリ7
被告:
判決:請求棄却
裁判部:民事 第47部
裁判官:沖中康人(裁判長) 矢口俊哉 宇野遥子
発明の名称等:「血管新生促進性組成物,その調整方法およびその使用」
争点:行服法の異議申立の却下決定び適法性
参照条文:行服法13条1項
分野:医薬類
分類:用途(血管新生促進)
ポイント:行政不服審査法13条1項によれば,同法に基づく不服申立てにおいては,代表者等の資格は書面で証明しなければならないとされている。特許庁担当者は,原告らからの代表者の資格証明書面に関する照会に対して,必要な回答をしており,原告らとしては,同回答に基づいて,公証人が作成した書面によって原告らの代表者の資格証明を行うことができる旨理解したはずである。現に,原告らは,本訴においては,公証人の認証を受けた代表者の資格証明書面を提出しているものであるから,同様な書面を本件異議申立てに係る手続において提出することができたはずである。以上からすれば,原告らが,本件補正命令において定められた期間内に,原告らの代表者の資格証明に関する書面を提出しなかったことに正当な理由があるとは認められず,本件異議申立ては行政不服審査法13条1項に違反し,不適法であるから,これらをいずれも却下した本件決定に違法はない。
86
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-04-13
事件番号:平成26(行ケ)10179/ 平成26(行ケ)10190
事件種別:審決取消請求/共同訴訟参加
原告:リボコル,インコーポレイティド/バイオエナジー ライフ サイエンス,インコーポレイティド
被告:特許庁長官
判決:請求却下
裁判部:第3部
裁判官:石井忠雄(裁判長) 西理香 神谷厚毅
発明の名称等:「心血管の機能を向上する為の組成物及び方法」
争点:共同訴訟参加申請の適法性(不適法)
参照条文:民訴52条
分野:医薬類
分類:用途(心血管機能改善)
ポイント:本件申出は,出訴期間経過後になされたことが明らかであるところ,上記認定の経緯に照らしても,参加人において出訴期間内に訴訟の提起をなし得なかったことについて,その責めに帰することができない事由があったとは認めることができない。したがって,参加人の本件申出は,不適法なものというほかない。
87
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-05-21
事件番号:平成26(行ケ)10165
事件種別:審決取消請求
原告:ユニバーシティ・オブ・シンシナティ
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:富田善範(裁判長) 大鷹一郎 鈴木わかな
発明の名称等:「赤血球の保存のための組成物及び方法」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:バイオ
分類:組成物(赤血球保存)
ポイント:刊行物1に接した当業者は,引用発明において,塩化ナトリウムは赤血球保存のために必須の成分ではなく,他の成分により浸透圧を所望の範囲に調節すれば必ずしも添加する必要がないことを認識するものといえるから,引用発明において,塩化ナトリウムを使用せず,その他の成分で浸透圧を引用発明と同程度に調節したものとし,その結果「外部由来の塩化物イオンを含まない」組成としたとしても,赤血球保存液として十分機能するものと考え,引用発明において,塩化ナトリウムを除去して,上記周知の「外部由来の塩化物イオンを含まない」構成(相違点3)を採用することを容易に想到することができたものというべきである。
88
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-06-11
事件番号:平成26(行ケ)10081
事件種別:審決取消請求
原告:オルガノジェネシス インク.
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第4部
裁判官:富田善範(裁判長) 田中芳樹 柵木澄子
発明の名称等:「生物工学的組織構築物およびそれを生成および使用する方法」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:バイオ
分類:組成物(培養組織)
ポイント:周知の技術に基づき,無血清培地を用いて引用発明の人工組織を得るにあたり,適切な血清代替成分を添加すれば,牛胎児血清が存在する場合と同様に細胞外マトリックスが産生されることを期待することができ,その血清代替成分として,汎用されているインスリンを選択し,アスコルビン酸リン酸エステル及びインスリンを含むDMEMを用いることは,当業者が容易に想到し得たことというべきである。
89
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-02-19
事件番号:平成25(行ケ)10311
事件種別:審決取消請求
原告:大鵬薬品工業株式会社
被告:アンティキャンサー・インコーポレイテッド
判決:請求認容
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 中村恭 中武由紀
発明の名称等:「ヒト疾患に対するモデル動物」
争点:進歩性(あり→なし)
参照条文:29条2項
分野:バイオ
分類:動物(ヒト疾患モデル)
ポイント:[1]皮下継代を経ていない腫瘍を用いて同所移植が行われた結果,浸潤が生じている甲1発明について,[2]皮下継代された腫瘍を用いて甲1発明同様に同所移植が行われた結果,浸潤及び転移が生じている甲3発明及び甲4発明を参酌すれば,[3]甲1発明において,時間が経過して浸潤が更に広がれば,甲3発明及び甲4発明と同様に転移が生じる可能性が高いと予測することは,[4]当業者であれば容易になし得たことにすぎず,通常の創作能力の範囲内において試みを動機付けられる程度のものといえる。
90
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-05
事件番号:平成26(行ケ)10016, 平成26(行ケ)10017
事件種別:審決取消請求
原告:バイオタージ・アクチボラゲット <16号事件原告・17号事件被告>
被告:シーイーエム・コーポレーション <16号事件被告・17号事件原告>
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 新谷貴昭 鈴木わかな
発明の名称等:「マイクロ波利用のペプチド合成」
争点:サポート要件(違反なし→なし)
参照条文:36条6項1号
分野:バイオ
分類:方法(ペプチド合成)
ポイント:凝集を発生させる原因である水素結合が,高温下においては減少するという性質を有していることから,理論上は,反応温度が高まれば,凝集の発生が抑制されるということが明示されている。したがって,当業者は,上記段落全体の記載から,本件発明において,カップリングへの悪影響に配慮しつつ,マイクロ波照射によって固相ペプチド合成の反応温度を高めれば,凝集が抑制されることを理解するものと認められる。以上によれば,当業者は,発明の詳細な説明の記載から,本件発明が,「凝集」という副次的な発明の課題を解決できることも認識し得るものであり,具体的な反応温度や加熱時間等が明示されていないことによって,サポート要件が直ちに否定されるわけではない。
91
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-06-25
事件番号:平成26(ワ)17797
事件種別:特許権侵害損害賠償請求
原告:A
被告:株式会社三幸商事
判決:請求棄却
裁判部:民事 第47部
裁判官:沖中康人(裁判長) 矢口俊哉 廣瀬達人
発明の名称等:「草質材圧着物」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:バイオ
分類:構造(きのこ栽培培地)
ポイント:証拠によれば,被告製品の「コーンコブミール」は,多数の刃を持った粉砕機を使用して圧着物に叩くあるいは潰すという機械的作用を加えて,圧着物を粉砕していることが認められる。このように,被告製品は,圧着物を再度粉砕するような加工を伴って製造されたものであるから,構成要件Dの「圧着をほぐしてなる解着物」には該当しない。
92
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-11-18
事件番号:平成27(ネ)10100 <(原審;東京地方裁判所平成26(ワ)17797>
事件種別:特許権侵害損害賠償請求控訴
原告:X <控訴人>
被告:株式会社三幸商事 <被控訴人>
判決:控訴棄却
裁判部:第3部
裁判官:大鷹一郎(裁判長) 田中正哉 神谷厚毅
発明の名称等:「草質材圧着物」
争点:技術的範囲(属しない)
参照条文:70条
分野:バイオ
分類:構造(きのこ栽培培地)
ポイント:被控訴人製品が本件発明の構成要件Bの「カサ比重0.15~0.25以下」に調整した「粉砕物」の構成を備えていることの根拠として控訴人が主張するところは,いずれも採用することができず,他に被控訴人製品が上記構成を備えていることを認めるに足りる証拠はない。
93
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-04-13
事件番号:平成26(ネ)10132/平成27(ネ)10004 <原審;大阪地方裁判所平成24(ワ)3061>
事件種別:損害賠償請求控訴/ 損害賠償請求附帯控訴
原告:株式会社トータルライフプランニング <控訴人兼附帯被控訴人>
被告:医療法人敬晴会 <被控訴人>/ 株式会社O.T.A. <被控訴人兼附帯控訴人 >
判決:一部控訴認容
裁判部:第3部
裁判官:石井忠雄(裁判長) 西理香 神谷厚毅
発明の名称等:「皮膚組織改善材」
争点:実施契約に係る不法行為における過失の有無(あり)
参照条文:民709条
分野:バイオ
分類:再生医療(皮膚)
ポイント:甲1契約締結の経緯,甲1契約における上記の説示のとおりの甲2発明の位置付けに加え,控訴人代表者の供述によれば,控訴人は,上記情報の提供を受けていれば,甲1契約を締結しなかったものと認めることができる。被控訴人ら(その代表者両名)は,控訴人を欺罔したものとまではいえないが,少なくとも過失により,甲1契約に当たって説明すべき事項を説明しなかったものであり,その結果,既に韓国において甲2発明を独占的に実施することはできないにもかかわらず,これができるものと考えて,控訴人が甲1契約を締結するに至ったものであるから,被控訴人らは,控訴人に対し,共同不法行為により,控訴人に生じた損害を賠償すべき義務があるというべきである。
94
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-10-30
事件番号:平成25(ワ)32394
事件種別:特許を受ける権利帰属確認請求
原告:
被告:株式会社カネカ
判決:請求棄却
裁判部:民事 第29部
裁判官:嶋末和秀(裁判長) 鈴木千帆 天野研司
発明の名称等:「豚用飼料及びその給与方法」、「胎児期及び乳児期等の哺乳動物へのCoQ10の新規用途」
争点:共同発明者(非該当)
参照条文:29条1項柱書
分野:食品
分類:飼料(豚用)
ポイント:必ずしも被告において優先順位が高くなかった豚の生産性向上に関する評価試験の実現を促進したことは,原告による貢献というべきではあるが,どちらかといえば事業上の戦略や計画を推進・実現していく過程への貢献であって,従来技術には見られない課題解決手段(技術的思想)を創作していく過程への貢献とはいえない。したがって,①補酵素Qを母豚に投与する方法を採用したことについて,原告が創作的に寄与したとはいえない。②補酵素Qを母豚に投与することにより現実に豚の分娩成績の改善又は出生以降の子豚の成長・生産性を向上させるという効果を挙げ得ることを具体的に見いだしたことについても,原告が創作的に寄与したとはいえない。
95
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-07-30
事件番号:平成26(行ケ)10270
事件種別:審決取消請求
原告:ザ アイムス カンパニー
被告:特許庁長官
判決:請求認容
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 中村恭 中武由紀
発明の名称等:「プロバイオティクス構成成分及び甘味剤構成成分を含む組成物」
争点:進歩性(なし→認定不十分取消)
参照条文:29条2項
分野:食品
分類:組成物(甘味剤)
ポイント:引用された発明が「プロバイオティック」との上位概念で構成されている場合,その下位概念に「ビフィドバクテリウム,ラクトバシラス」が含まれるものであるとしても,「ビフィドバクテリウム,ラクトバシラス」により具体的に構成された発明が当然に開示されていることにはならない。また,本願補正発明の「甘味剤構成成分」と,引用発明の「プレバイオティック」とが同一成分で重なるからといって,両者を直ちに同一のものととらえることはできない。
96
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-02-24
事件番号:平成26(行ケ)10159
事件種別:審決取消請求
原告:有限会社大長企画
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 中村恭 中武由紀
発明の名称等:「健康食品」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:食品
分類:組成物(健康食品)
ポイント:引用例2には,緑イ貝が関節痛に有効であるとして,古くから食用されていたものであり,緑イ貝を粉末とした健康食品が関節痛,リウマチの特効食品として販売され,有効性が専門学術誌上で発表されている旨が記載されている。また,乙3~6にあるとおり,この緑イ貝を粉末又はエキスの形で健康食品として,他の健康食品と混合摂取することは,技術常識である。そうすると,当業者が,引用発明1の成分に加えて「その他成分」として,効能をより増大するために引用発明1が有する効能と同様の効能を有する成分を選択して添加することとし,リウマチ等の関節炎に対して効能のある引用発明1の成分に加えて,引用例2に記載のリウマチ等の関節痛に効能のある成分である緑イ貝を選択することは,当業者が容易になし得る程度のことであり,格別の創意工夫を要しない。
97
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-25
事件番号:平成26(行ケ)10111
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社津田
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長) 大寄麻代 平田晃史
発明の名称等:「表面に放射性汚染物が付着した野菜の洗浄方法及び洗浄装置」
争点:進歩性(なし→なし)
参照条文:29条2項
分野:食品
分類:方法(野菜洗浄)
ポイント:より人体に対する安全性が高い方法とするため,引用発明において還元水の採用を試みることの動機付けがあるというべきであり,洗浄力の観点から,より酸化還元電位の低い当該還元水を採用することは,当業者が容易に想到することができたものである。
98
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-10-29
事件番号:平成27(ワ)1025
事件種別:特許権侵害差止請求
原告:サントリーホールディングス株式会社
被告:アサヒビール株式会社
判決:請求棄却
裁判部:民事 第46部
裁判官:長谷川浩二(裁判長) 中嶋邦人 清野正彦
発明の名称等:「pHを調整した低エキス分のビールテイスト飲料」
争点:進歩性(なし)
参照条文:29条2項 104条の3
分野:食品
分類:飲料(ビール)
ポイント:公然実施発明1に接した当業者において飲み応えが乏しいとの問題があると認識することが明らかであり,これを改善するための手段として,エキス分の添加という方法を採用することは容易であったと認められる。そして,その添加によりエキス分の総量は当然に増加するところ,公然実施発明1の0.39重量%を0.5重量%以上とすることが困難であるとはうかがわれない。そうすると,相違点に係る本件発明の構成は当業者であれば容易に想到し得る事項であると解すべきである。
99
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-03-25
事件番号:平成26(行ケ)10096
事件種別:審決取消請求
原告:株式会社明治
被告:特許庁長官
判決:請求棄却
裁判部:第1部
裁判官:設樂隆一(裁判長) 大寄麻代 平田晃史
発明の名称等:「香気成分の制御方法及び散逸防止方法」
争点:実施可能要件(違反あり→あり)
参照条文:36条4項1号
分野:食品
分類:方法(液状食品の香気成分制御)
ポイント:①本願明細書の記載及び本願出願当時の当業者の技術常識によっても,従来技術における平均粒子径0.05~1㎜の微粒子よりも,遙かに大きい72㎝の粒径の液滴を生成してその真空脱気処理を行うために,どのような手段を採用すればよいかは不明である上,②仮に,当業者の技術常識から72㎝程度の粒径の液滴を製造すること自体は可能であるとしても,そのような大きい液滴を,従来技術の知見(平均粒子径が1㎜を越えると効率よく溶存酸素を除去できない。)に反し,どのような真空脱気処理条件を設定すれば,溶存酸素濃度を低下させることができるのかも不明である。したがって,本願明細書の発明の詳細な説明は,当業者が本願発明2を実施することが可能な程度に明確かつ十分に記載されているとは認められない。
100
詳細
クリック!
裁判所:東京地裁
判決日:2015-04-10
事件番号:平成24(ワ)12351
事件種別:損害賠償等請求
原告:越後製菓株式会社
被告:佐藤食品工業株式会社
判決:一部請求認容
裁判部:民事 第40部
裁判官:東海林保(裁判長) 今井弘晃 足立拓人
発明の名称等:「餅」
争点:損害額(寄与率10%)
参照条文:102条2項
分野:食品
分類:構造(切り餅)
ポイント:事実を総合考慮し,特に,本件発明の意義や被告におけるスリットの宣伝内容,スリットを入れたことによる業績向上の程度に加え,本件特許登録の時点が平成20年(2008年)4月18日であり,本件損害賠償請求の対象製品は,既に先行して損害賠償等請求が提起された代表的な製品である先行事件製品を除く被告製品であることをも勘案すると,特許法102条2項の損害を算定するに当たり,本件発明に係る特許の寄与率は10%が相当であると認められる。
101
詳細
クリック!
裁判所:知財高裁
判決日:2015-12-08
事件番号:平成27(行ケ)10119
事件種別:審決取消請求
原告:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
被告:株式会社JKスクラロースジャパン
判決:請求棄却
裁判部:第2部
裁判官:清水節(裁判長) 片岡早苗 新谷貴昭
発明の名称等:「渋味のマスキング方法」
争点:審決判断の違法性(適法)
参照条文:行訴法33条1項
分野:食品
分類:方法(渋味のマスキング)
ポイント:「AかつB」と「BかつA」は同じものを指すのであって,仮に条件Aを満たす集合の中に条件Bを満たす集合全体が包含される関係にあるのであれば,「AかつB」も「BかつA」も条件Bを満たす集合を指すことになり,条件Bを満たす集合の中に条件Aを満たす集合が包含される関係にはならない。本件発明において,「該飲料の0.0012~0.003重量%の範囲」であることは,当該飲料の重量によって計算上算定される値であり,かつ,「甘味を呈さない量」であることは,ヒトの味覚によって検査される値であり,それぞれ独立した条件であり,一方の条件が論理的に当然に他方の条件に影響するものではない。したがって,原告の主張は,前提において誤りであり,採用できない。